9月会議

 9/6~9/20

条例3件、報告3件、認定8件、同意1件、契約4件、財産譲渡2件、請願2件、発議3件、補正予算9件  木曽町議会(通年議会)9月会議は、9月6日から20日までの15日間で行われた。10人が一般質問を行ったほか令和3年度決算の認定をはじめ条例改正、工事請負契約の締結、財産の無償譲渡、補正予算など35件が審議された。開田高原マイアスキー場の無償譲渡については、途中本会議を全員協議会に切り替え、さまざまな質疑や意見交換を行った。町提出の議案はいずれも全会一致で可決された。

補正予算

一般会計補正予算(第3号)
コロナワクチン接種 3216万円など
議案の内容 新型コロナウイルスワクチン接種事業3216万円をはじめ、道路設計委託料2000万円など1億1100万円余りを追加するもの。
道路橋梁の整備に町民の強い要望
 今回、栗本跨線橋こせんきょうが整備の対象になっているが、老朽化した橋は町内に多くあり町民は困っている。長寿命化事業は、点検結果を点数化する等して、優先順位を決め町民の理解を得るべきでは。
 栗本跨線橋(新開町組)は64年が経過し、最も老朽化しており危険度が高い。JRに架かる橋は工事費用が高く、交付金等で予算を確保する必要があるため優先順位は高くなっている。年内に町内全ての橋の点検結果がそろうので、長寿命化計画を見直し点数化等も検討したい。
 財政調整基金等を活用して本庁、各支所で道路の改良・修繕を進めるべきでは。
 道路メンテナンス事業補助金や地域づくり事業で進めているが、他の補助金等も検討して進めたい。道路が多く長いので費用を抑えてきた面もあるが、除雪や橋梁、地域づくり事業などには力を入れてきた。
 災害が続き業者が追い付かず手がつかなかった事情もあるが、町民の生活に関わることなのでしっかりやっていきたい。
栗本跨線橋を視察する議員ら
学校給食の材料費高騰対策に676万円
 給食費の保護者負担は増えないか。
 給食費は公会計化されている。町の事業であるため保護者負担は増えない。
開田高原の光害防止対策 502万円
 水銀灯のLED化による効果や星空を守るための光害防止の進め方は。
 開田高原にある90基の水銀灯のうち西野地区から把ノ沢地区の40基を交換予定。上空へ漏れる光がゼロのLED灯にする。残り50基も来年度以降実施していきたい。
 開田高原在住の木曽星の会の方から、星空に優しい防犯灯整備にと80万円の寄付をいただいた。
光害防止用のLED灯(イメージ)
732戸の空き家 今後の対策は
 町内には732戸の空き家があるとされるが、今後の対策は。
 空き家対策計画に基づいて進めていく。現在外観の目視による実態調査をした段階。今後は、空き家をどうしたいか、悩みは何かといった意向調査を実施し、分析・対応していく。
増えている空き家
地方創生臨時交付金追加分の使途は
 物価高が止まらず生活はひっ迫している。町民一人1万円の木曽町物価高騰等生活支援給付金は大変喜ばれている。交付金の追加分で更なる支援をすべきでは。
 交付金の使途に制約があり、子育て支援が主となっている。ある程度は子育て支援に配分する予定で検討中である。
相次ぐ水害で復旧工事が遅れている
 上小川(黒川)の工事が遅れている。状況は。
 昨年度の復旧工事がずれこんでいる。材料費等の上昇で補正予算を計上した。段階を踏んだ工事が必要で、河川工事終了後に発注する。林道については3カ所残っている。
 日義地区宮ノ越の本町~中町は2年連続床下浸水し、木曽川へ直接排水できる水路設置に強い要望がある。
 検討し図面ができてきた。なるべく早く予算化したい。
公共施設にコロナ検査キット等の配布を
 行動制限が緩和され人流が活発化している。コロナ感染簡易検査キットの事業者への配布や購入費の補助等はできないか。
 役場へ相談して欲しい。検討もしていきたい。
抗原検査キット
交通システムに環境配慮型バス
 生活交通システムに環境配慮型バスを購入するが、その内容は。
 国の補助金962万円で環境に配慮した電気バス(25人乗り)を購入する。開田高原線や木曽駒高原線に導入予定。
一般会計補正予算(第4号)
スキー場整備負担金 1億2000万円
議案の内容 開田高原マイアスキー場を豊実精工株式会社へ無償譲渡するに当たり、施設整備費の一部1億2000万円を負担するもの。歳入は地域振興基金を同額繰り入れする。

無償譲渡

財産の無償譲渡
開田高原マイアスキー場 岐阜の豊実精工へ
議案の内容 開田高原マイアスキー場(レストラン棟、管理棟、従業員宿舎、リフト、圧雪車など)を岐阜県加茂郡富加町にある豊実精工株式会社(今泉由紀雄社長)に無償譲渡するもの。
施設整備費2億4000万円、10年間の地代約3800万円の負担、固定資産税約2600万円の免税、また撤退時の撤去費用負担など、非常にハードルの高い条件が示されていた。
 簡易宿泊所として整備した2棟の建物の今後は。
 現在は従業員宿舎に戻っている。今後も従業員宿舎となる可能性はある。
 アスモグループへの貸付に対して泣き寝入りはおかしい、という町民の声がある。返って来ないのか。
 返らないとは決まっていない。アスモグループの処理を見極めて、弁護士に相談、検討していく。

【賛成討論】
採決に当たり5名の議員(中村博保、大目富美雄、松井淳一、下島里美、藤田昌弘)から次のような賛成討論があり、反対討論はなかった。
◯ 2億4000万円の負担は大きいが、町の経済や雇用に与える影響も大きい。しっかり盛り上げて欲しい。
◯ 指定管理者が管理期間を残して撤退したことは企業の社会的責任の欠如であると思うが、今回の決定はコロナ禍や相次ぐ災害で地域経済が低迷する中で町としての決断である。
◯ 本来索道施設等の大きな財政負担を伴う場合は、住民に対して早めの丁寧な説明と深い理解が必要である。
◯ スキーを気軽に楽しめない子育て世代等がいる中で、町は大きな負担をすることを念頭において欲しい。
◯ 地域も町もあり方検討委員会も事業継続に賛成しており問題ない。地元の思いを十分理解していただいて託して欲しい。
無償譲渡が決まった開田高原マイアスキー場
財産の無償譲渡
サンファーム大洞 網中政機氏へ
議案の内容 三岳にあるサンファーム大洞A棟(木造平屋1棟、約53㎡)を、前利用者である名古屋市天白区の網中政機氏に無償譲渡するもの。
 これまで無償譲渡する場合は公募していたが、今回はされなかった。その理由は。
 長らく住まわれていたので、先ず声掛けをしてみたところお願いしたいということだったので決定した。

条例(改正・廃止)

開田高原マイアスキー場条例の廃止
スキー場の無償譲渡に伴い条例廃止
議案の内容 開田高原マイアスキー場の指定管理を行っていたアスモグループ株式会社が7月15日に撤退。これに伴い新たな事業者を公募した結果、施設譲渡の応募があり、無償譲渡が決定したため本条例を廃止するもの。
木曽おもちゃ美術館条例の一部改正
休館日は水曜と年末年始
議案の内容 休館日は水曜日と12月29日から1月3日とし、開館時間は午前10時から午後4時までとする。
ふるさと体験館条例の一部をおもちゃ美術館条例に追加し、体験館条例を廃止する。

契約(変更契約)締結

建設工事請負契約の締結
日義小中の空調設備 9559万円
議案の内容 日義小中学校の空調設備設置工事について、契約を締結するもの。
契約金額9559万円。契約相手は株式会社千村建設(日義)。契約方法は一般競争入札。
建設工事請負契約の締結
三尾地区農業集落排水施設 1億2870万円
議案の内容 三岳三尾地区の農業集落排水施設について、機能強化工事契約を締結するもの。契約金額は1億2870万円。契約相手は神稲建設株式会社木曽支店。契約方法は一般競争入札。
建設工事請負変更契約の締結
林道渡沢鳥居峠線災害復旧 8037万円
議案の内容 掘削を行った際、既設の山留擁壁が確認されたため、掘削量及び残土処理量が減少したことに伴い35万円減額する。変更契約額は8037万円。契約相手は大林工業株式会社。
復旧した林道渡沢鳥居峠線
物品購入契約の締結
木曽福島スキー場圧雪車 4730万円
議案の内容 木曽福島スキー場の圧雪車購入について契約を締結するもの。契約金額4730万円。契約相手は日本ケーブル株式会社長野支店(長野市)。契約方法は指名競争入札。

請願

◯ 「不登校児童生徒に対して多様な学習機会の確保のための経済的支援制度の確立を求める意見書」の採択を求める請願
内容:
提出者
 フリースクールのための一斉請願プロジェクト
 代表 四宮紗代香
付託委員会
 社会文教常任委員会
審査結果
 採択
◯ 「へき地教育振興法に鑑み、へき地手当等支給率を近隣県並みの水準に戻すこと」を長野県知事に求める請願
内容:
提出者
 木曽町教職員組合
 代表 水川弘美
付託委員会
 社会文教常任委員会
審査結果
 採択

発議

◯ 「不登校児童生徒に対して多様な学習機会の確保のための経済的支援制度の確立を求める意見書」の採択を求める意見書の提出
◯ 「へき地教育振興法に鑑み、へき地手当等支給率を近隣県並みの水準に戻すこと」を求める意見書の提出
◯ 地方公共団体情報システムの標準化に向けての意見書の提出

同意

人権擁護委員の推薦があり同意した。
任期は令和5年1月1日から令和7年12月31日までの3年間。
人権擁護委員
野口 英明氏(福島)
野口英明氏
田口由利子氏(日義)
田口由利子氏