木曽町総合トレーニングセンター完成 事業費7億9570万円
スポーツ・文化の振興や健康増進の新たな拠点施設

スポーツ・文化の振興や健康増進などを目的に建設された総合トレーニングセンター
スポーツ・文化の振興や健康増進などを目的に建設された総合トレーニングセンター

 相撲のみならずさまざまなスポーツ・文化の振興や健康の増進などを目的として昨年から工事が行われていた木曽町総合トレーニングセンターが完成した。6月27日には記念式典が実施されたほか屋内相撲場では土俵開きの神事なども行われ、出羽海部屋の合宿で来町していた御嶽海関など13人の力士も出席し完成を祝った。

1階に土俵2面

 建物は鉄骨造り2階建てで延べ床面積は約1568平方メートル。1階には屋内相撲場(土俵2面)や畳敷きの大広間、炊事場、男女別の更衣室やシャワー室などを備えている。また、2階にはトレーニングルームやストレッチルームをはじめ映像解析室などもある。事業費は7億9570万円で神稲・倉本・中田特定建設工事共同企業体が施工した。主な財源は国の交付金が約3億8000万円、町債(約5割を国が補てん)が約4億円。

完成を祝って行われたテープカット
完成を祝って行われたテープカット
(左から渡邉地域振興局長、後藤衆議院議員、原町長、千村議長)

今年度は本土俵改修

 総合トレーニングセンターが完成し、屋内のさまざまな施設が整った。今年度は本土俵の改修工事が行われる。主要な改修内容は、本土俵を現在の位置よりも下げ1200席余りの観客席のうち、約1100席を全て木製の椅子にする。今まではコンクリートで固くて冷たいので体が冷えるという声も聞いていたが、これらも解消されることになる。

令和10年度の国スポを見据え今年度改修が行われる本土俵
令和10年度の国スポを見据え今年度改修が行われる本土俵

国スポの相撲会場

 令和10年に国民スポーツ長野県大会(信州やまなみ国スポ)の相撲競技が木曽町で開催されることが決まっている。町ではこれを見据えて老朽化した施設の整備を計画的に実施している。
 令和10年(2028年)は昭和53年(1978年)のやまびこ国体から数えてちょうど50年という節目の年。最高のステージで地元選手が熱戦を繰り広げてくれることを期待する。
国スポの相撲会場予定
令和6年 佐賀県 玄海町
令和7年 滋賀県 長浜市
令和8年 青森県 十和田市
令和9年 宮崎県 五ヶ瀬町
令和10年 長野県 木曽町

木曽町体育協会 会長
青木あおきつとむさん(日義)
生涯スポーツに親しむための施設
 この度、真新しい木の香漂う木曽町総合トレーニングセンターの竣工式が開催されました。ご承知のように、このセンターは多用途に利用可能な設備が備えられています。
 相撲選手の育成を図るとともに、子どもから高齢者まで誰もが生涯にわたってスポーツに親しむための施設として、木曽郡の体育協会を巻き込みながら利用の推進を図っていきたいと考えています。
 一方で、教育や観光など多面的な場面においても利活用可能な施設として成長して欲しいと願っています。
議会の視点
本来の目的に沿った利活用できるか
 大広間や炊事場、相撲稽古場、さらに映像解析室などを備えた総合トレーニングセンターが完成した。今年度は、さらに本土俵の改修工事も行われ、あとは既存施設の解体工事や駐車場、外構整備などを残すのみとなる。
 施設完成後は、維持管理費がいつも大きな課題になり、費用対効果が問われることになる。今後、さまざまなスポーツ・文化(卓球、空手、太鼓など)の振興や健康の増進など当初の目的に沿った利活用が十分できるかが大きなカギになる。