
難波さん
「獣皮を無駄にしない」を信条に、狩猟後は丁寧に油や肉を除去したうえで、獣皮を東京のなめし工場に送り、約1か月かけて加工、天然素材で色づけ。戻ってきた革を使い名刺入れやペンケース、ブックカバーなどを手作業で仕上げている。特に文庫本サイズのブックカバーは人気が高く、町内のカフェなどで販売されているほか、ふるさと納税の返礼品としても扱われている。
また、捕獲した獣の肉も無駄にせず解体・加工して冷凍保存。町内外の旅館や飲食店へ卸している。肉の需要は高いものの、生産が追いつかないのが現状だ。
難波さんは「今の生活は決して楽ではないが、増え続ける獣を獲り、地域を守りながらひとつの産業として成り立たせていきたい」と話す。
一方で「獣の個体は増えているのに、捕獲する人は減っている。猟友会に頼るだけでは限界があり、今後はより根本的な対策が求められる」と感じている。
議会から 当面は猟友会の協力が不可欠だが、会員の高齢化や減少を踏まえ、会のあり方を見直すとともに、持続可能な獣害対策を検討していきたい。