会議結果
意見書・決議
ハローワーク機能の抜本的強化を求める意見書
核兵器廃絶の国際条約締結へ、政府の具体的な努力を求める意見書
基地対策予算の増額等を求める意見書
現行の児童福祉法に基づく、保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援予算を大幅増額し、地方自治体での保育・子育て施策推進のための財政補償拡充を求める意見書
(可決 全会一致)
現下の厳しい雇用状況の中で、求職や各種助成金の申請、職業訓練の申し込みなどで、地域のハローワークの窓口は、大変な混雑を呈しており、中には、窓口で3時間、4時間待ちの状況が生じており、窓口機能が極端に低下している状況が見られる。
また、休日・夜間の相談を求めるニーズも高くなっており、現状では対応に苦慮している実態も見られる。
こうした状況に対応するため、今般の「経済危機対策」においてハローワークの機能強化を図るため、人員・組織体制を抜本的に充実・強化することが決定されている。
ついては、下記の点に配慮の上、機能強化を図るよう強く要請する。
記
1.ハローワークの職員や、相談員の増員に当たっては、単に窓口業務が集中する都市部に重点配分するだけでなく、地方のハローワークの業務の実態に応じて、適切な配分を行い、また、雇用調整助成金の窓口相談に当たっては、つなぎ融資の制度などについても、適切な情報提供を行うよう努めること。
2.地域の実情に応じて、夜間、休日の窓口業務の開庁を行うなど機能強化を図ること
3.ジョブカードの推進に当たる職業訓練情報等連携推進員については、ジョブカフェなどへの重点配分を行い、若者学生などの就職相談機能を強化すること
4.雇用調整助成金の申請に当たっては、申請アドバイザーの機能を強化するとともに、アウトリーチの相談体制や、必要に応じて社会保険労務士の活用を図るなどきめ細かな体制整備を図ること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年7月30日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
核不拡散条約(NPT)再検討会議の準備委員会は5月6日、来年5月の再検討会議の議題に、「核兵器の全面廃絶に対する核兵器の保有国の明確な約束」をうたった2000年の再検討会議の合意文書を踏まえたNPTの運用見直しを含めることを全会一致で合意した。前回2005年の会議ではなんら合意もないまま終了したが、今回の合意は、核兵器全面廃絶へ核兵器保有国の「約束」を復活させるものである。
オバマ米大統領は、4月5日にプラハで行った演説で、核兵器廃絶を国家目標とすることを初めて明示するとともに、「核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として、米国は行動する道義的責任がある」と述べ、「核兵器のない世界」に向けて「一緒になって平和と進歩の声を高めなければならない」と、世界の諸国民に協力を呼びかけた。また、準備委員会で読み上げられたメッセージでオバマ大統領は、「核兵器のない世界の平和と安全保障の追及」を改めて訴え、「米国がNPTの約束を果たす」と表明した。こうした国際的な動きは核兵器廃絶への機運として重要である。
よって本市議会は、日本政府に対して次の事項を強く要請する。
記
今こそ、被爆した世界でただ一つの国の政府として、来年のNPT再検討会議で核兵器廃絶の明確な約束が再確認・履行され、主導的役割を果たすとともに、核保有国をはじめ国際社会に対して、核兵器廃絶国際条約の締結めざして国際交渉を開始するよう働きかけること
以上、地方自治法第99条の規定にもとづき意見書を提出する。
平成21年7月30日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
基地施設周辺の市町村は、基地所在に伴う諸問題の解決に向けて鋭意努力しているところである。
しかし、基地関係市町村は、世界的な経済危機に伴う大幅な税収減や、基地所在に伴う特殊な財政需要の増大等により大変厳しい財政状況にある。
こうした基地関係市町村に対しては、これまで総務省所管の固定資産税の代替的性格を基本とした基地交付金(国有提供施設等所在市町村助成交付金)及び米軍資産や住民税の非課税措置等の税財政上の影響を考慮した調整交付金(施設等所在市町村調整交付金)が交付されている。
また、自衛隊等の行為又は防衛施設の設置・運用により生ずる障害の防止・軽減のため国の責任において基地周辺対策事業が実施されている。
基地交付金・調整交付金については、基地所在による特別の財政需要等にかんがみ、固定資産税の評価替えの翌年度において、平成元年度より3年ごとに増額されてきており、併せて、防衛省所管の特定防衛施設周辺整備調整交付金も増額されてきた経緯がある。
よって、国におかれては、基地関係市町村の実情に配慮して下記事項を実現されるよう強く要望する。
記
1 基地交付金及び調整交付金については、今年度は固定資産税の評価替えの年度にあたるため、これまで3年ごとに増額されている経緯を十分踏まえ、平成22年度予算において増額するとともに、基地交付金の対象資産を拡大すること。
2 基地周辺対策経費の所要額を確保するとともに、各事業の補助対象施設及び範囲を拡大すること。特に、特定防衛施設周辺整備調整交付金については、これまでの経緯を踏まえ平成22年度予算において増額すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年7月30日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
少子化の進行のもとで、安心して子どもを生み育てることのできる環境、子ども達が健やかに育つことのできる環境の整備が緊急の課題になっている。とりわけ、経済的状況が悪化するなか、保護者の就労を支え、子ども達の生活と発達を保障する場である保育・学童保育・子育て支援策の整備は国民の大きな願いであり、施策前進に対する期待も高まっている。
2006年以来、現在まで国会(衆・参両院)で「現行保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額を求める請願書」が全会派一致で採択され、現行の公的保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援のための予算を増額することは国会の意志として表明されている。
ところが、政府は、厚生労働省社会保障審議会少子化対策特別部会において、現在の保育制度を抜本点に覆す内容の制度改革を提案している。今年2月24日に少子化対策特別部会が出した「第一次報告」は、①市町村の保育実施責任をなくし、保護者と保育所の直接契約を導入する②現在の認可制度をなくし、指定制を導入する③市町村が保育必要量(時間)を認定し、認定した保育時間で保育料を決定し、従来の子ども達の1日の生活や発達を保障する保育から、時間刻みの保育にするという内容である。また、市町村で待機児童解消が飛躍的に進まないのは、国の保育予算(保育所建設・整備、保育所運営など)が大幅に不足しているためである。政府は次世代育成支援対策や少子化対策をかかげているが、公立保育所運営費等の一般財源化や補助金の交付金化をすすめ、地方自治体に大きな負担を強いている。三位一体改革のなか、市町村財政が逼迫する状況を横におき、待機児解消が進まないことを、市町村が財政事情を理由に供給量を抑制していると市町村の責任にし、また、保育実施責任を負っている市町村の意見を充分に聞くことも行わないまま、現在の保育制度を根底から覆す内容の制度改革を提案している。
こうした改革がすすめば、子どもの福祉よりも経済効率が優先され、過度の競争が強まらざるを得ず、保育の地域格差が広がるだけでなく、家庭の経済状況により子どもが受ける保育のレベルにも格差が生じることが懸念される。
すべての子ども達の健やかな育ちを保障するためには、国・自治体の責任で保育・学童保育・子育て支援施策を大幅に拡充することが必要である。
国においては、保育制度改革の議論をすすめるにあたり、子どもの権利を最優先に、地方の実情を踏まえたうえで、国と地方の責任のもとに実施する充実した制度とするよう、以下の事項について強く要望する。
1、現行の児童福祉法に基づく、保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援予算を大幅増額し、地方自治体での保育・子育て施策推進のための財政保障拡充をすること
2、認可保育所の直接契約・直接補助方式の導入は行わないこと
3、制度を変えるにあたっては、詳細設計の前に保育実施責任を負う市町村の意見を充分に聞くこと
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年7月30日
大阪府和泉市議会