会議結果
意見書・決議
生活品の物価高騰に対する緊急対策を求める意見書
社会保障関係費の2200億円削減方針の撤回を求める意見書
太陽光発電システムのさらなる普及促進を求める意見書
大阪府の老人・障がい者・乳幼児・ひとり親家庭の4医療費公費負担助成制度見直し中止を求める意見書
地方消費者行政の抜本的拡充に必要な法制度の整備及び財政措置を政府等に求める意見書
公的保育制度の堅持・拡充、保育・学童保育・子育て支援施策の推進に関わる国の予算の大幅増額を求める意見書
(可決 全会一致)
原油や食料品の価格の高騰が続き、国民、勤労者の生活を直撃している。
日本の景気はさらに減速しているという見方も増え、特に生活困窮層にあっては「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保障されなくなるおそれがある。
これまでの景気回復下において、国と地方の格差は拡大し、地域経済は疲弊している。賃金が低下傾向にある中、物価高騰による購買力の低下は、住民の生活を圧迫させ、さらなる地域経済の悪化や地方行政運営に深刻な影響を与えることが懸念される。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。
記
1 原油や食料の高騰に伴う実質所得低下を緩和するため、中低所得者層を中心とする所得税減税や生活困窮者に対する補助金制度の創設、生活扶助基準に対する物価上昇分(3%程度)の上乗せを行うこと
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年10月24日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
地域における医師不足をはじめとして、医療、介護、福祉などの社会的セーフティネット機能が著しく弱体化している。非正規労働の拡大は、生活保護基準以下で働く、いわゆるワーキングプア層をつくり出し、社会保険や雇用保険に加入できないなど、住民の生活不安は確実に広がっている。
そのような中で、7月29日に閣議了解された「平成21年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」において、社会保障関係費予算を2200億円抑制することが示された。これでは、地域の医療体制や介護人材確保は深刻な事態に陥りかねない。不安定雇用が拡大し、雇用情勢の悪化が懸念される中、労働保険特別会計の国庫負担金の削減は、雇用社会の基盤を揺るがしかねない。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。
記
1 「経済財政運営と構造改革に関する基本指針2006」(骨太の方針2006)で打ち出された社会保障関係費を毎年2200億円削減する方針を撤回すること
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成20年10月24日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
今年7月に開催された洞爺湖サミットでは、地球温暖化防止問題が主要テーマとして議論され、議長国であるわが国においても、2050年に温室効果ガスの総排出量を60%~80%削減するという積極的な目標を掲げたところである。
二酸化炭素などの温室効果ガスを生み出す原因としては、石炭や石油、天然ガスなど化石燃料の燃焼が挙げられ、その根本的な解決のためには、化石燃料によらない新エネルギーを確保することが求められている。
その新エネルギーのなかでも、太陽光発電については、天然資源に乏しいわが国において広く普及が可能なエネルギーとして注目を集め、その導入量は2006年末で170.9万kWであり、ドイツ、米国などとともに世界をリードしてきた経緯がある。
しかしながら、この大量普及時代に突入する時期を同じくして、太陽電池モジュール(パネル)の逼迫や国の住宅用導入支援制度が終了した影響などから、国内導入量が一転して前年比マイナスの状況に陥り、技術革新や量産効果などにより低下していた太陽光発電設備の設置単価が2006年からは上昇に転じる結果となった。
こうした事態の打開に向けて、当時の福田総理は「経済財政改革の基本方針2008」や地球温暖化対策の方針「福田ビジョン」において、「太陽光発電については、世界一の座を再び獲得することを目指し、2020年までに10倍、2030年に40倍を導入量の目標とする」と、目標を示したところである。
「環境立国」を掲げるわが国が、太陽光発電世界一の座を奪還するためには、エネルギー導入量増加に向け、総理のリーダーシップのもと政府・各省が連携を緊密にとりつつ、具体的には、「住宅分野」、「大規模電力供給用に向けたメガソーラー分野」、「さらなるコスト削減に向けた技術開発分野」、「普及促進のための情報発信・啓発分野」―― の各分野に対して支援策を打ち出す必要があると考える。
よって、本市議会は、政府に対して、太陽光発電システムのさらなる普及促進に向け、以下の5項目の実現を強く要望するものである。
一、国による住宅用太陽光発電導入促進対策費補助金補助事業制度の再導入ならびに同事業予算の拡充
一、分譲集合住宅の購入者を対象とする太陽光発電システム取得控除制度の導入や賃貸住宅オーナーの固定資産税の減税措置など集合住宅用の太陽光発電システム導入支援策の推進
一、国主導による大規模太陽光発電システムの本格的導入ならびにそのための制度整備
一、導入コスト低減に関わる技術開発促進策の推進
一、太陽光発電システムの普及促進のための情報発信・啓発活動の推進
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年10月24日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
本年6月5日に発表された「大阪維新」プログラム案は、府と市町村が実施している老人、障がい者、乳幼児、ひとり親家庭の医療費公費負担助成制度を見直すとしている。
見直し案は、自己負担を1日500円(月2回限度)から1割に引き上げ、所得制限を強化する方向を提案した。この見直し案は、制度の対象者である社会的に弱い立場にある住民の受療権を奪い、ひいては府民の命を危険にさらすものであり、看過できない。
そもそも同制度は「持続可能な制度」にすることを理由に、府民の大きな反対を押し切って2004年11月に再構築され、数十億円もの助成削減がされたばかりである。すでに高齢者への助成は一部の対象者に限られ、障がい者などの所得制限は強化され、それまで無料であった制度に窓口負担が導入された。この再構築により府の福祉医療制度は全国でも最低水準の制度となった。これ以上窓口負担を増やせば、文字どおり全国最低の制度となってしまう。乳幼児医療費助成制度の見直しは、子育て世代への経済的負担増となり、少子化に拍車をかけることになる。
また、1割負担導入による償還払いは、患者にとって一時的に大変大きな負担を強い、受診を抑制する要因になるとともに、申請による返還を求める煩わしさをともなう。市町村においては、償還事務の負担が拡大する。
地方自治体の役割は、地方自治法第1条の2に規定されているとおり「住民の福祉の増進」である。府はなによりも880万府民の暮らしと命・健康を守らなければならない。財政難を理由に府民の命を守るセーフティーネットを削減することは自治体として許されない。
ついては、以下のように強く要望する。
一、老人・障がい者・乳幼児・ひとり親家庭の4医療費公費負担助成制度の1割負担、所得制限の強化を撤回すること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年10月24日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
近年、輸入冷凍餃子への毒物混入事件、こんにゃくゼリーによる窒息死事故や一連の食品偽装表示事件、ガス湯沸かし器一酸化炭素中毒事故、シュレッダーによる指切断事故、英会話教室NOVA事件など、多くの分野での消費者被害が次々と発生ないし顕在化した。また、多重債務、クレジット、投資詐欺商法、架空請求、振り込め詐欺などの被害も後を絶たない状況にある。
消費生活センターなど地方自治体の消費生活相談窓口は、消費者にとって身近で頼りになる被害救済手段であって、消費者被害相談の多くは全国の消費生活センターに寄せられており、その件数は、1995(平成7年度)が約27万件であったものが、2006(平成18年度)には約110万件に達し、当時に比べ約4倍に増大している。
しかるに、自治体の地方消費者行政予算は、ピーク時の平成7年度には全国(都道府県・政令指定都市・市区町村合計)200億円(うち都道府県127億円)だったものが平成19年度は全国108億円(うち都道府県46億円)に落ち込むなど大幅に削減されている。そのため、地方消費者行政が疲弊し、十分な相談体制がとれない、あっせん率低下、被害救済委員会が機能していない、被害情報集約による事業者規制権限の行使や被害予防などの制度改善機能、消費者啓発も十分行えないなど、機能不全に陥っている実態が明らかとなった。
政府は、消費者・生活者重視への政策転換、消費者行政の一元化・強化の方針を打ち出し、「消費者庁の設置」などの政策を検討しているが、真に消費者利益が守られるためには、地方消費者行政の充実強化が不可欠である。政府の消費者行政推進会議の最終とりまとめにおいても、強い権限を持った消費者庁を創設するとともに、これを実行あらしめるため地方消費者行政を飛躍的に充実させることが必要であること、国において相当の財源確保に努めるべきこと等を提言している。
よって、本市議会は、国に対し、消費者主役の消費者行政を実現するため、以下のような施策ないし措置を講じるよう強く要請する。
記
1 消費者の苦情相談が地方自治体の消費生活相談窓口で適切に助言・あっせん等により解決されるよう、消費生活センターの権限を法的に位置づけるとともに、消費者被害情報の集約体制を強化し、国と地方のネットワーク構築すること等、必要な法制度の整備をすること
2 地方消費者行政の体制・人員・予算を抜本的に拡充強化するための財政措置をとること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年10月24日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
急激な少子化の進行、児童虐待など子育て困難が広がるなかで、安心して子どもを生み育てられる環境の整備が切実に求められており、保育・学童保育、子育て支援施策推進への期待がかつてなく高まっている。
政府は国をあげて次世代育成支援、少子化対策に取り組むとしながら、一方で公立保育所運営費の一般財源化や保育予算の削減をすすめるだけでなく、民間保育所運営費の一般財源化もすすめようとしている。また、公立保育所廃止・民営化の推進、幼稚園・保育所の現行基準を大幅に切り下げて認可外施設も認める「認定こども園」制度を推進し、保育の公的責任と国の基準(ナショナルミニマム)を後退させ、公的保育制度をなし崩しにしようとしている。
加えて、地方分権と言いながら地方に十分な財源を保障しないことが、自治体に超過負担を強いるものとなっており、現在国が進めている上記施策によって、保育の実施主体である自治体が現在まで積み上げてきた子どもにかかわる施策を継続・充実を行うことに困難な状況が広がってきている。厳しい財政事情にある下で、少子化対策の中核を担う、保育・学童保育・子育て支援施策の推進については国が責任を持って行うべきものである。
また、第169回通常国会で「現行保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額を求める請願書」が、衆・参両院において全会派一致で採択された。第165臨時国会・166通常国会・167臨時国会においても同様の趣旨の請願が衆・参両院において採択され、現行の公的保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援のための予算を増額することは国会の意志として表明されている。
よって、本議会は関係機関において下記項目の具体化を図られるよう、強く要望する。
1、現行の公的保育制度を堅持・拡充し、直接入所方式や直接補助方式を導入しないこと
2、待機児解消のための特別な予算措置を行うこと
3、保育所最低基準は堅持し、抜本的に改善すること
4、耐震・老朽化に伴う施設改修や建替え等の施設整備について特別の予算措置を早急に行うこと
5、保育所、幼稚園、学童保育、子育て支援施策推進のための国の予算を大幅に増額すること
6、子育てに関わる保護者負担を軽減し、仕事と子育ての両立が図られるよう社会的環境を整備すること
7、公立保育所の運営費を国庫負担金に戻すこと
8、民間保育所運営費の一般財源化は行わないこと
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年10月24日
大阪府和泉市議会