会議結果
意見書・決議
大阪府立弥生文化博物館の存続を求める意見書
大阪府「財政再建(大阪維新)プログラム(案)」に関する意見書
国による公的森林整備の推進と国有林野事業の健全化を求める意見書
「クールアース・デー」(地球温暖化防止の日)の創設等を求める意見書
携帯電話リサイクルの推進を求める意見書
インターネット上の違法・有害状態から子どもを守るための環境整備を求める意見書
(可決 全会一致)
和泉市・泉大津市にまたがる池上曽根遺跡は、全国屈指の規模と内容の弥生時代遺跡として昭和51年4月、国史跡に指定された。平成3年2月に遺跡地の一角に建設された弥生文化博物館は、現代社会の原点ともいわれる弥生時代を専門とする全国唯一の博物館として国内・海外から多くの来館者を迎えてきた。
弥生文化博物館、史跡公園、池上曽根弥生学習館が同一の地域に存在することによって、書物や写真だけでは学ぶことのできない「生きた歴史」を知る学習の場としても、大きな役割を果たしている。近年、大阪府下はいうにおよばず近隣各県からも、小学校高学年、中学生、高校生の児童・生徒の校外学習の利用も増えている。
また、常に新鮮な視点での特別展、歴史・考古学のセミナーやシンポジウムの他、施設を有効に活用して絵画・写真その他のミニ・ギャラリー、年に10数回のロビーコンサートなど、多彩な事業を展開している。
幾多の先人の永年にわたる献身と努力によって築かれ、我が国の歴史研究の発展にとっても、学校教育、地域の文化と交流の拠点としても大きな役割を果たしている博物館を、如何に府の財政事情が厳しいものであってもそれを理由に廃止することは、将来に禍根を残すものである。
よって本市議会は大阪府に対し、弥生文化博物館の存続を強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年6月27日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
大阪府橋下知事は、4月に示した「財政再建プログラム試案」をもとに、この間関係機関と協議・検討を行い、6月に「『大阪維新』プログラム(案)」を発表した。
その中身は、府民の切実な声の中で当初廃止や見直しとされた35人学級や障害者施策や救命救急センター補助など一部見直しされているが、学校への警備員配置や単独加配教員、高齢者・障害者を地域で支援する諸事業など、今年度は継続するが来年度から廃止・縮減・交付金化する事業も多数ある。
市民の命とくらしに直接責任を持つ市町村にとって、一部見直しされたとはいえ補助金削減や医療や福祉施策のきりすて、そして財政保障のないまま「役割分担」論による事業の押しつけなどが実行されれば、市民生活に多大な支障と混乱を招くものとなるのは必至である。「財政再建(大阪維新)プログラム(案)」は「収入の範囲内」での予算を大前提にしているが、住民の命やくらしを守ることが役割である行政にとって住民サービスを守りながら財政を再建する道筋を慎重に論議決定すべきである。
住民の命とくらしを守るため、教育、医療、福祉に重大な影響を及ぼす橋下知事の「財政再建(大阪維新)プログラム(案)」について、以下のとおり要望する。
記
1、住民の命とくらしを最優先にして進めること。
2、住民サービスや府内市町村財政に大きな影響を及ぼすことが懸念される事業については、市町村や関係機関等と十分な期間を設定し協議すること。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成20年6月27日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
近年、地球温暖化が深刻な環境問題となる中でグローバル化する森林の役割に対する要請が高まるなど、環境資源としての森林に対し強い期待が寄せられている。
一方、林業を取り巻く厳しい状況の中で、森林経営は脆弱化、その担い手である山村は崩壊の危機に立っている。
このような中、森林整備を推進していくためには、森林所有者の森林経営意欲を創出するための施策の推進はもとより、民間による整備が困難な水源林等公益森林の整備に対する公的機関の役割の強化、更には、過疎化・高齢化が進む中で、森林・林業の担い手である山村の再生に向けた積極的な取組が極めて重要となっている。
このような時期に、国有林野事業は、いわゆる「行政改革推進法(平成18年6月)」に基づき業務・組織の見直しが予定されており、また旧(独)緑資源機構は「独立行政法人整理合理化計画(19年12月)」に基づき19年度末で解散し、水源林造成事業は(独)森林総合研究所に継承させる措置が講ぜられたところである。
今後の林政の展開に当たっては、森林吸収源対策の推進はもとより、特に、国有林野事業等において、安全で安心できる国民の暮らしを守るために、重要な役割を果たす水源林等公益森林の整備、更には、地域林業・木材産業の振興を通じた山村の活性化に十全に寄与出来るよう、下記事項の実現を強く要請する。
記
1 森林吸収源対策を着実に推進するため環境税等税制上の措置を含め安定的な財源を確保するとともに、林業・木材産業の振興施策の推進と森林所有者の負担軽減措置による森林経営意欲の創出を促すこと。
2 緑の雇用対策等森林・林業の担い手対策の拡充、施業の集約化、路網の整備等による効率的・安定的な木材の供給体制の確保、更には木材のバイオマス利用の促進等により間伐材を含む地域材の需要拡大対策の推進による地域林業・木材産業の振興を図ること。
3 計画的に水源林造成事業を含めた公的森林整備を推進するための組織体制の確保及び施業放棄地等民間による森林整備が困難な地域における国の関与の下での森林整備制度を創設すること。
4 国有林野事業については、国民共有の財産である国有林を適正に管理するとともに、公益的機能の一層の発揮を図るため国による管理運営体制の堅持及びその管理運営を通じて地域における森林・林業担い手の育成と地域活性化への寄与を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成20年6月27日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
近年、乾燥地域の拡大や氷河の後退、異常気象の頻発、海面上昇等、地球温暖化の影響によるものと指摘される事象が地球規模で顕在化している。20世紀の間に地球の平均気温は0.6℃上昇し、わが国の平均気温も1℃上昇した。最悪の場合、2100年には(18世紀の産業革命以前と比較して)6.4℃気温が上がり、88cm海面が上昇するとの予測もあり、地球温暖化防止に向けた取り組みが喫緊の課題であることは誰の目にも明らかである。
こうした環境・気侯変動問題等を主要テーマに、本年7月、日本を議長国として北海道洞爺湖サミットが開催される。政府においても、ダボス会議で福田総理が「クールアース推進構想」を提唱するなど、京都議定書の温室効果ガス削減目標達成のために、地球温暖化対策策推進法の改正を進めるなど、所要の温暖化防止対策を講じているところである。
加えて、「環境立国」を目指すわが国が、サミット開催国として積極的に議論をリードするとともに、地球温暖化防止に向けた国民的取り組みを、より一層推進する責務があることは論を待たない。
こうした観点から、サミットの象徴として、開催初日の7月7日を「クールアース・デー」と定めることをはじめ、地球温暖化防止に向けた国民的取り組みへの意識啓発を促すため、政府に対して以下の事項について強く要請するものである。
記
一、北海道洞爺湖サミットの開催初日の7月7日を「クールアース・デー」と宣言し、地球温暖化防止のために啓発しあい、皆で行動する日と定めること
一、当日はCO2削減のため、全国のライトアップ施設や家庭などが連携して電力の使用を一定時間控えるライトダウン運動などの啓発イベントを開催し、地球温暖化防止のために行動する機会の創出に取り組むこと
一、クールビズやウォームビズについては認知度を深めるとともに、温度調節などの実施率を高めること
一、「チーム・マイナス6%」などの国民参加型運動の一層の普及促進を図り、国民運動に対する協賛企業の拡大や、エコポイント制度の普及促進に努めること
一、商品の料金の一部が温室効果ガス削減事業に充てられる仕組みとなるカーボンオフセット(温室効果ガスの相殺)については、関係者による協議体をつくり、その信用性を高めること
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成20年6月27日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
レアメタルを含む非鉄金属はわが国の産業競争力の要とも言われており、その安定確保はわが国の産業にとって重要な課題である。近年、国際価格の高騰や資源獲得競争の激化により、その確保に懸念が生じている。
貴重な鉱物資源をめぐるこのような状況を受け、資源エネルギー庁に設置された「資源戦略研究会」が平成18年にとりまとめた報告書「非鉄金属資源の安定供給確保に向けた戦略」では、使用済み製品に使われたレアメタルの再利用推進が重視されている。なかでも普及台数が1億台を越えている携帯電話には、リチウム、希土類、インジウム、金、銀などが含まれており、これらを含んだ使用済みの携帯電話は他のレアメタルなどを含む使用済み製品とともに「都市鉱山」として、適切な処理と有用資源の回収が期待されている。
しかし、使用済み携帯電話の回収実績は2000年の約1362万台をピークに減少傾向が続いており、2006年には約662万台に半減している。回収率向上のための課題として、携帯電話ユーザーへのリサイクル方法の情報提供、携帯電話のリサイクル活動を行うMRN(モバイル・リサイクル・ネットワーク)の認知度向上、ACアダプター等の充電器を標準化することによる省資源化などが指摘されているところである。
そこで、政府に対して、使用済みの携帯電話の適正な処理とレアメタル等の有用な資源の回収促進を図るため、下記の事項について早急な対策を講じるよう強く求める。
記
一、携帯電話の買い換え・解約時においてユーザーに対して販売員からリサイクルの情報提供を行うことを定める等、携帯電話の回収促進のために必要な法整備をおこなうこと
一 、携帯電話ユーザーに対する啓発、携帯電話回収促進につながる企業・団体の取組を支援する施策を行うこと
一、ACアダプター等充電器の標準化や取り扱い説明書の簡略化等による省資源化を実現すること
一、レアメタルなどの高度なリサイクル技術の開発に加え、循環利用のための社会システムの確立を目指すこと
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成20年6月27日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
現在は、子どもたちが携帯電話やパソコンから、簡単にインターネットに接続できる状況にあるにも関わらず、インターネット上では違法・有害情報の氾濫が事実上野放し状態になっている。出会い系サイトやゲームサイト等を通じて、実際に子どもたちが犯罪に巻き込まれる事件も多発している。
また、メディア教育を十分に受けていない子どもたちが作った掲示板に、匿名の誹謗中傷が書き込まれ、いじめの温床となっているなどの問題も頻発している。
総務省は、携帯電話各社に要請し、未成年者の携帯電話には「フィルタリングサービス」を自動的におこなうよう取り組みを進めているが、未だ十分なものではない。また、技術的な対応だけでなく、対人コミュニケーション能力の養成や、メディアリテラシー教育、さらに保護者の啓発運動への取り組みも不可欠である。
よって本議会は国に対し、子どもたちに対するコミュニケーション能力育成教育やメディアリテラシー教育、並びに保護者の啓発に努めること、違法・有害サイトの利用防止を図るための活動を行う団体に対して財政支援を行うこと、フィルタリングソフト等の技術開発や水準維持にかかる支援を行うこと、携帯電話によるインターネット接続に年齢制限を設けるなど、インターネット上の違法・有害な状態から子どもたちを守るための総合的な施策を強力に推進することを要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成20年6月27日
大阪府和泉市議会