会議結果

意見書・決議

平成19年第4回定例会
以下全文記載
割賦販売法の抜本的改正に関する意見書

(可決 全会一致)

 現在、大量のリフォーム工事、呉服等の次々販売が繰り返されたり、クレジット契約を悪用したマルチ商法・内職商法その他の詐欺的商法の被害が絶えない。中には、あまりに高額のクレジット債務を負わされ、追い詰められた消費者が自ら命を絶つケースも発生しており、クレジット被害は国民の生命を脅かす命の問題となっている。
 このような被害は、販売業者が顧客の支払能力を考慮せずにクレジット販売を行える仕組みとなっており、クレジット会社も顧客の支払能力をきちんとチェックせずに契約を認めることで発生している。経済産業省の数度に亘る、加盟店の実態把握・管理の徹底、悪質な販売店の加盟店からの排除等を求める通達に対しても、クレジット事業者は「通達は法的義務ではない」と主張し、その後も、クレジット被害者は増え続けている。
 こうしたクレジット悪質商法被害の防止と消費者の被害回復を実現し、消費者に対し、安心・安全なクレジット契約が提供されるためには、クレジット会社の責任においてクレジット被害の防止と取引適正化を実現する法制度が必要である。
 よって、和泉市議会は、国会及び政府に対し、割賦販売法改正に当たって次の事項を実現するよう強く要請する。

1.悪質商法にクレジットが利用され、被害が発生することを防ぐため、クレジット事業者が、加盟店への調査など適正な与信を行う義務を法文上明記すること。
2.販売業者の販売契約等が無効・取消・解除となるときは、消費者に対する既払金返還義務を含むクレジット会社の無過失共同責任を規定すること。
3.消費生活への影響も十分に考慮しつつ、貸金業法のようないわゆる総量規制の導入や違反した場合の民事効の導入等、実効性ある過剰与信防止規定を定めること。
4.契約書型クレジット事業者に対し、登録制を導入し、与信事項にかかる契約書面交付義務及びクーリング・オフ制度を明記すること。
5.現行の割賦要件及び指定商品制を原則として廃止し、支障のある取引についてはネガティブリストで対応すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年12月14日

大阪府和泉市議会

メディカルコントロール体制の充実を求める意見書

(可決 全会一致)

 外傷や脳卒中、急性心筋こうそく等の救急治療を要する傷病者に対する救急出動件数(平成18年)は、523万件余に上る。この救急・救助の主体的役割を担う人材が救急医および救急救命士等であり、一刻を争う救命処置とともに高い専門性が求められることから、救急隊が行う応急措置の質の向上を協議するメディカルコントロール(MC)体制の充実、特に医師による直接の指示・助言(オンラインMC)体制の整備が求められている。
 しかし、都道府県の下、各地域に設置されているメディカルコントロール協議会では、救急救命士等が実施する応急手当・救急救命処置や搬送手段の選定等について、①医師の指示・助言②事後検証③教育体制の整備等の手順および活動基準のマニュアル化が十分なされていないことから、早急に住民の目線からのMC体制づくりを推進すべきである。
 今年5月に都道府県MC協議会を統括する「全国メディカルコントロール協議会連絡会」が発足した。国として各地域の現場の声を集約する環境が整ったことから、地域のMCにおける課題や先進事例等について、しっかりと意見交換をした上で、速やかに情報をフィードバックしていくシステムを構築すべきである。このような対応を進めることにより、救急治療を要する傷病者に対して、救急隊による適切な応急措置と迅速、的確な救急搬送が行われるようMC体制の充実を図るべきである。
 以上のことから、下記の項目について国は早急に実施するよう、強く要望する。

一、全国メディカルコントロール協議会連絡会を定期開催し、地域メディカルコントロール協議会との連携強化を図ること
一、メディカルコントロール協議会を充実させる為の財政措置の増大を図ること
一、オンラインメディカルコントロール体制の構築を堆進すること
一、救急救命士の病院実習や再教育の充実・強化を図ること
一、救急活動の効果実証や症例検討会の実施を図ること

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

平成19年12月14日

大阪府和泉市議会

自主共済制度の保険業法の適用除外を求める意見書

(可決 全会一致)

 第162回通常国会で成立し、2006年4月に施行された「保険業法等の一部を改正する法律」(以後、保険業法)によって、障害者団体やPTA団体をはじめとする各団体が、その目的の一つとして構成員の為に自主的かつ健全に運営してきた共済制度(以後、自主共済制度)が存続の危機に追い込まれている。
 保険業法の改正の趣旨は「共済」を騙って不特定多数の消費者に保険商品を販売し、消費者被害をもたらした、いわゆる「マルチ共済」を規制し、消費者を保護するのが目的であった。ところが、保険業法の策定と政省令の作成の段階で、当初の趣旨から大きく逸脱し、自主共済制度についても、保険会社に準じた規制を受けることとなり、存続が困難な状況に陥って制度の廃止を決める組織も出てきている。
 そもそも「共済」は、団体の目的の一つとして構成員の相互扶助を図るためにつくられ、日本社会に深く根を下ろしてきた。団体がその構成員の「仲間同士の助け合い」を目的に、自主的かつ健全に運営してきた自主共済制度は「利益」を追求する保険業とは全く異なっている。その自主共済制度を強制的に株式会社や相互会社にしなければ運営できないようにし、「儲け」を追求する保険会社と同列において、一律に様々な規制と負担を押し付けることになれば、多くの自主共済制度の存続が不可能となり、「契約者保護」「消費者保護」を目的とした法改正の趣旨にも反することになり、憲法で保障された「結社の自由」や「団体の自治権」を侵すことにもなる。
 日本社会に深く根を下ろしてきた「仲間同士が助け合う」という活動は奨励すべきものであり、これを法律で規制したり、「儲け」を追求する会社化としなければ「仲間同士の助け合い」が出来ないようにすることは絶対にあってはならないことである。
 以上のことから、下記の事項を速やかに見直し、改善されるよう求める。

1、構成員が限定され、助け合いを目的とした共済の実態を踏まえ、保険業法の制度と運用を早急に見直すこと。
2、団体が目的の一つとして構成員のために自主的かつ健全に運営されている共済制度を保険業法の適用から除外すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

平成19年12月14日

大阪府和泉市議会

食の安全と自給率向上、地域農業の振興を求める意見書

(可決 全会一致)

 日本政府はオーストラリア(豪州)政府をはじめ諸外国と貿易関税撤廃を目的とした経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)の締結に向けた交渉をすすめている。農林水産省は今年2月、仮に輸入関税が撤廃されれば、日本の食料自給率は現在の39%から12%に下がると試算している。
 いま世界の食料事情は大変厳しくなっている。地球温暖化や異常気象、大干ばつ、人口増加や中国・インドなどの食肉消費量増加で世界の穀物在庫は最悪の水準となっている。にもかかわらずアメリカなどの穀物大商社は、利益確保のため穀物をバイオエタノールの原料にするなど在庫不足に拍車をかけている。そのため穀物価格の急上昇がおきはじめ、食品価格の相次ぐ値上げにつながっている。このままいけば将来的には輸入食料の安定確保は困難な状況になることは必至である。
 また、食の安全・安心面でも問題が大きくなっている。中国産農畜水産物の残留農薬や残留薬品・添加物の違反やアメリカ産牛肉の輸入条件違反、国内における相次ぐ食品の偽装・詐欺事件が連日のように報道され、アメリカ産牛肉の輸入条件緩和や国内産牛肉の全頭検査の一部を来年取りやめる動きも合わせて国民・消費者は大きな不安をかきたてられている。今や食の安全・安心に対する国民の信頼は大きく後退しており、その信頼回復は緊急の課題である。
 これ以上の日本農業の衰退と食料自給率の低下、輸入食料の増大は日本の食料安全保障上大きな悪影響を与え、国民のくらしや食の安心・安全を守る上でも絶対に避けなければならない。あわせて、日本の食料自給率向上は世界の食料事情の改善にもつながり、大きな国際貢献となる。さらに、食の安全・安心確保のための監視・検査体制強化や増員が強く求められる。
 よって、政府におかれては次の措置を講じられるよう強く要望する。

(1)国の責任で日本農業を守り、食料自給率向上をすすめること。産直や地産地消を支援するなど都市近郊農業や地域農業を振興すること。
(2)農畜産物の輸入関税撤廃・引き下げを目的とするEPA・FTA交渉などこれ以上の貿易自由化交渉はやめること。
(3)アメリカ産牛肉の輸入条件緩和はしないこと。BSE対策における牛の全頭検査は継続すること。
(4)食品衛生監視員(食品衛生法)や表示規格指導官(JAS法)などの増員を行うとともに食品安全基準・表示制度の充実、食品安全検査・表示監視業務の強化など食の安全対策を向上させること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

平成19年12月14日

大阪府和泉市議会