会議結果
意見書・決議
2008年関西サミットの実現ならびに大阪での首脳会合開催を求める決議
国の保育所最低基準を堅持・拡充し、認可保育所には直接契約やバウチャー制を導入せず、保育・学童保育・子育て支援の予算の大幅増額を求める意見書
最低賃金の引き上げを求める意見書
医師不足を解消し、安心できる地域医療体制の確保を求める意見書
道路特定財源の確保に関する意見書
(可決 全会一致)
サミット(主要国首脳会議)は、世界の政治経済にかかわる主要課題について、主要8か国の首脳が一堂に会して話し合う第一級の国際会議であり、来る2008(平成20)年にはわが国での開催が予定されている。
現在、このサミットを「関西サミット」として実現し、関西の発展を図るため、大阪、京都、兵庫の関西三都が連携して誘致活動を推進しており、それぞれの開催プランを基に関西が一体となったプランの取りまとめが必要である。
大阪は、首脳会合の開催を目指し、大阪城地区を中心とするサミット開催プラン「安全・快適なサミットを大阪で~大阪の人々とともに迎える~<大阪城サミット開催プラン>」を提案している。
大阪城地区での開催は、周囲を川と濠に囲まれ、セキュリティとリトリート性を確保しながら、すべての行事が地区内で完結することから、府民生活への影響を最小限に抑えることが可能である。
また、18カ国・地域の首脳が参加したAPEC大阪会議をはじめ多くの国際会議を開催してきた実績を有し、国公賓受け入れノウハウを有する多数のホテルや高速道路網の充実など、各国首脳をお迎えするにふさわしい都市インフラが備わっている。
さらに、2008(平成20)年には北京オリンピックが開かれ、世界がアジアに注目する中、大阪はアジアと長く深い交流実績を有しており、アジア唯一の参加国であるわが国において、大阪こそサミット開催にふさわしい都市であり、世界の首脳を温かくお迎えする地域挙げての「おもてなしの心」は、APEC大阪会議において実証済みである。
もとより、サミットの開催に当たっては、警備に万全を期すとともに、経費負担の軽減を図るために簡素なものとすることも重要であり、また、地域経済の活性化に資することも求められる。
大阪でサミットが開催されれば、大阪が世界から注目を浴び、本(市、町、村)をはじめ地域の歴史、伝統、文化などに根ざした多様な情報が発信されることとなるなど、世界に大阪のプレゼンスを高めるまたとない好機となる。
よって和泉市議会は、2008(平成20)年サミットが「関西サミット」として実現されるとともに、とりわけ首脳会合が大阪で開催されることを強く要望する。
以上、決議する。
平成19年3月27日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
先の第165臨時国会(12月19日閉会)で「保育・学童保育・子育て支援の拡充と予算の大幅増額を求める請願書」が衆参両院において全会派一致で採択された。
ところが、12月25日の「規制改革・民間開放推進会議」が出した最終報告はこの請願が採択される以前に審議を終えていたこともあり、報告内容は請願内容と大きく矛盾するものとなっている。
少子化が大きな社会問題となり、児童虐待も深刻さを増しており、国会で採択された請願の趣旨及び請願項目を具体的施策に生かすことが緊急の課題となっている。
関係機関において下記項目の具体化を図られるよう、強く要請する。
1、保育所最低基準は堅持・拡充すること
2、認可保育所には、直接契約やバウチャー制を導入しないこと
3、保育所・幼稚園・学童保育・子育て支援への予算を大幅に増額すること
4、労働時間の短縮など仕事と子育ての環境整備を実施すること
以上、地方自治法第99条に基づき意見書を提出する。
平成19年3月27日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
今日、ワーキングプア(働く貧困層)の克服が社会的要請となっている。3人に1人がパート、派遣、請負の労働に従事する非正規労働者である。そのため、年収200万円以下での生活が余儀なくされ、全体労働者で見ても、年収300万円以下の労働者が全労働者の4割近くにまでに至っている。
最低賃金の大幅引き上げによるワーキングプア克服策はとても有効である。政府でも、「最低賃金改正法案」によって、最低賃金額の決定要素に「生活保護基準」を加える方向が明らかにされ、大きく引き上げる条件を整えつつあり、大いに歓迎するものである。
アメリカをはじめ世界各国でも、同様に最低賃金額の引き上げが図られている。日本の最低賃金額水準は、ヨーロッパなどの先進諸国の半分程度にあり、大幅な引き上げが、求められている。
ワーキングプアの克服に力を発揮する最低賃金制度の改善は、重要な役割を担っている。最低賃金額を引き上げ、パートら不安定雇用労働者の均等待遇を実現し、欧米諸国で制度化され、地方格差を無くした全国一律最低賃金の確立を早期に図るとともに、最低賃金制度の周知徹底、監督体制の拡充など、一層の充実を図られるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年3月27日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
2008年4月より国民健康保険の保険者たる市町村をはじめとした医療保険者に対し、新たな「特定健康診査・特定保健指導」の実施を義務づけた。しかし、医療費増加の原因となりうる住民の“発掘”を重視すればするほど医療費が増える可能性が高くなり、自己責任を問われかねないなどの多くの問題がある。
問題の一点目は、長年にわたる保健事業に対する詳細な検討もなく事業の変更を行っていることである。二点目は、保険者に健診の完全実施が義務化され、達成状況の如何では後期高齢者医療制度に対して拠出する「支援金」がペナルティとして増額される点である。
三点目として、健診目的に「メタボリックシンドローム」の洗い出しが重点に据えられているが、特殊検診ではない基本健診は限られた特性に過度に偏した内容であるべきではない。慢性気管支炎や骨粗鬆症などのように、やせていることが危険因子とされている生活習慣病を軽視することになるからである。糖尿病など、逆にやせている方が治療が困難であることも知られた事実である。さらに、我が国では肥満しているよりやせている方が絶対数として癌が多く発症するので、肥満対策を強めるほど癌が増加しかねないという指摘すらある。「メタボリックシンドローム」の定義についても様々な議論があり、現行の健診システムを壊してまで新たな健診を実施する合理的根拠は希薄である。
四点目は、これまでの健診が「早期発見・早期治療」を重要なコンセプトにしていたのに対し、特定健診・特定保健指導は「早期発掘・早期介入」、つまり医療費増加の原因となりうる住民の“発掘”と、その住民の生活への介入、「行動変容」を目的にしている点である。五点目は、特定健診・特定保健指導ともに、民間営利企業への「外部委託」(アウトソーシング)を勧めている点である。保険者は可能な限り低廉な価格での事業実施を求めざるを得なくなり、保健事業が営利企業間の価格破壊競争に巻き込まれていく可能性がある。また、健診データの漏洩の危険もある。
以上の理由により、次の点について政府は緊急に対応されるよう要望する。
記
1.「健康日本21」の目標達成、とりわけ基本健診・癌検診の実施率を高めること について国として全力を挙げ、対策を講じること。
2.平成22年以降も基本健診を継承しながら、特定健診・特定保健指導の拙速な 実施を見合わせ、十分な医学的検証と国の負担を含めた費用負担のあり方について再検討を行うこと。
3.健診や保健指導の実績が保険者へのペナルティとなって跳ね返るような制度の あり方を見直すこと。
4.健診データの漏洩などの危険に対し、国民が安心かつ信頼できる内容・管理方 法を明確にすること。
5.保健予防活動は国の責任のもとに実施されるべき公衆衛生活動の一環であることを確認し、保健予防活動を充実させる方向で国の施策を立案すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年3月27日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
近年、全国的に、特に小児科や産婦人科などにおける医師不足が深刻な問題となっている。地域住民が安心して生活するためには、救急医療や産婦人科・小児科医療など必要な医療サービスがいつでも利用できることが重要であり、こうした医師不足問題の解消は喫緊の課題である。
このような医師不足は、1)平成16年4月から実施されている臨床研修制度により大学医局の医師派遣機能が低下し、地域の医療機関からの医師の引き上げが生じていること、2)公的病院等での医師の過酷な勤務実態、地域の医療機関の経営状況の悪化などが生じていること、3)女性医師の増加に対応する仕事と子育ての両立支援策が十分に講じられていないことなど様々な原因が複合的に作用して生じている。
医師不足の解消に向け、医療機関の集約化や、魅力ある研修病院の整備、病院間連携体制の整備、小児救急での電話相談窓口の整備など様々な努力を進めているが、安心できる地域医療体制の整備に向けて国においても引き続き積極的な取り組みを進める必要がある。また医師不足のみでなく看護師や助産師の不足も同様に近年重要な課題となっている。
以上のことから、政府におかれては、医師不足を解消し、安心できる地域医療体制を確保できるよう、下記の事項について要望する。
記
1.地域医療の再構築に向けて、総合的なビジョンを早急に策定すること
2.救急医療体制の整備・維持、周産期医療体制の整備・維持のための支援策の拡充を図ること
3.小児科医療等の医師不足が指摘される科目の診療報酬の抜本的な見直しを図ること
4.公的病院の診療体制の強化を図るため集約化への取り組みの支援策を拡充すること、また中核病院と地域医療機関の連携を強化するための対策を講じること
5.臨床研修制度のあり方について検討を行い、前期・後期臨床研修において、地域医療への従事が適切に確保できるよう取り組みを進めること
6.医科系大学の定員における地域枠の拡大を図るとともに、奨学金制度の充実など地元への定着を進めるための施策の充実を図ること
7.院内保育の確保や、女性医師バンクの充実など女性医師の仕事と生活の両立を図るための支援策を充実すること
8.看護師、助産師の不足に対して積極的な対策を講じること
9.小児救急の電話相談事業の充実のための対策を講じること
10.出産・分娩に係る無過失補償制度の早期の創設を図ること
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成19年3月27日
大阪府和泉市議会