会議結果
意見書・決議
(可決 全会一致)
現在、2006年度以降の税制改正案が検討されているが、その内容は、給与所得控除の縮小、特定扶養控除及び配偶者控除の廃止など、勤労者世帯を中心に大規模な増税につながるものが列挙されている。特に給与所得控除については、給与生計者の必要経費概算控除という性格にとどまらず、資産所得等との担税力格差に配慮した控除であること等をかんがみれば、縮小すべきものではない。
家計の税・保険料負担は、年金保険料、雇用保険料の引き上げ、老年者控除及び配偶者特別控除の廃止など、ここ数年の税制や社会保障制度の改定によって年々重くなっている。さらに、2006年1月からは、所得税及び住民税の「低率減税」が半減され、それ以降全廃の予定である。定率減税及び各種所得控除の縮小が地域住民の暮らしを直撃することにより、消費を冷え込ませ、ひいては地域経済の回復基調の足取りに深刻な影響を及ぼすことが強く懸念される。
よって、国においては、個人所得税における各種控除等の縮小・廃止でなく、公正・公平で民主的な国民の納得できる税制度を確立するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年12月16日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
国においては、現在、第28次地方制度調査会において「議会のあり方」について調査・審議を行っており、このような状況を踏まえ全国市議会議長会は、先に「地方議会の充実強化」に向けた自己改革への取り組み強化についての決意を同調査会に対し表明するとともに、必要な制度改正要望を提出したところである。
しかしながら、同調査会の審議動向を見ると、全国市議会議長会をはじめとした三議長会の要望が十分反映されていない状況にある。
本格的な地方分権時代を迎え、住民自治の根幹をなす議会がその期待される役割と責任を果たしていくためには、地方議会制度の改正が必要不可欠である。
よって、国においては、現在検討されている事項を含め、とりわけ下記の事項について、今次地方制度網査会において十分審議の上、抜本的な制度改正が行われるように強く求める。
記
1.議会の招集権を議長に付与すること。
2.地方自治法第96条2項の法定受託事務に係る制限を廃止するなど議決権を拡大すること。
3.専決処分要件を見直すとともに、不承認の場合の首長の対応措置を義務付けること。
4.議会に附属機関の設置を可能とすること。
5.議会の内部機関の設置を自由化すること。
6.調査権・監視権を強化すること。
7.地方自治法第203条から「議会の議員」を除き、別途「公選職」という新たな分類項目に位置付けるとともに、職務遂行の対価についてもこれにふさわしい名称に改めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年12月16日
大阪府和泉市議会
(可決 賛成多数)
「三位一体の改革」は、小泉内閣総理大臣が進める「国から地方へ」の構造改革の最大の柱であり、全国一律・画一的な施策を転換し、地方の自由度を高め、効率的な行財政運営を確立することにある。
地方六団体は、平成18年度までの第1期改革において、3兆円の税源移譲を確実に実施するため、昨年の3.2兆円の国庫補助負担金改革案の提出に続き、政府からの再度の要請により、去る7月20日に残り6,000億円の確実な税源移譲を目指して、「国庫補助負担金等に関する改革案(2)」を取りまとめ、改めて小泉内閣総理大臣に提出したところである。
政府・与党においては、去る11月30日「三位一体の改革について」決定され、地方への3兆円の税源移譲、施設整備費国庫補助負担金の一部について税源移譲の対象とされ、また、生活保護費負担金の地方への負担転嫁を行わなかったことは評価するものであるが、「地方の改革案」になかった児童扶養手当や児童手当、義務教育費国庫負担金の負担率の引き下げなど、真の地方分権改革の理念に沿わない内容や課題も多く含まれ、今後、「真の地方分権改革の確実な実現」に向け、「地方の改革案」に沿って平成19年度以降も「第2期改革」として、更なる改革を強力に推進する必要がある。
よって、国においては、平成18年度の地方税財政対策において、真の地方分権改革を実現するよう、下記事項の実現を強く求める。
記
1.地方交付税の所要総額の確保
平成18年度の地方交付税については、「基本方針2005」の閣議決定を踏まえ、地方公共団体の安定的財政運営に支障を来すことのないよう、地方交付税の所要総額を確保すること。
また、税源移譲が行われても、税源移譲額が国庫補助負担金廃止に伴い財源措置すべき額に満たない地方公共団体については、地方交付税の算定等を通じて確実に財源措置を行うこと。
2.3兆円規模の確実な税源移譲
3兆円規模の税源移譲に当たっては、所得税から個人住民税への10%比例税率化により実現すること。
また、個人所得課税全体で実質的な増税とならないよう適切な負担調整措置を講ずること。
3.都市税源の充実確保
個人住民税は、負担分任の性格を有するとともに、福祉等の対人サービスを安定的に支えていく上で極めて重要な税であり、市町村への配分割合を高めること。
4.真の地方分権改革のための「第2期改革」の実施
政府においては、「三位一体の改革」を平成18年度までの第1期改革にとどめることなく、「真の地方分権改革の確実な実現」に向け、平成19年度以降も「第2期改革」として「地方の改革案」に沿った更なる改革を引き続き強力に推進すること。
5.義務教育費国庫補助負担金について
地方が創意と工夫に満ちた教育行政を展開するため、「地方の改革案」に沿った税源移譲を実現すること。
6.施設整備費国庫補助負担金について
施設整備費国庫補助負担金の一部について税源移譲割合が50%とされ、税源移譲の対象とされたところではあるが、地方の裁量を高めるため、「第2期改革」において、「地方の改革案」に沿った施設整備費国庫補助負担金の税源移譲を実現すること。
7.法定率分の引き上げ等の確実な財源措置
税源移譲に伴う地方財源不足に対する補てんについては、地方交付税法の原則に従い、法定率分の引き上げで対応すること。
8.地方財政計画における決算かい離の同時一体的な是正
地方財政計画と決算とのかい離については、平成18年度以降についても、引き続き、同時一体的に規模是正を行うこと。
9.「国と地方の協議の場」の制度化
「真の地方分権改革の確実な実現」を推進するため、「国と地方の協議の場」を定期的に開催し、これを制度化すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年12月16日
大阪府和泉市議会
(可決 賛成多数)
国債残高は今年度末、約538兆円に達する見込みであり、国民一人当たり500万円もの債務を負う計算になる。これまで小泉内閣は、財政を健全化させるために歳出の削減に取り組み、5年前と比べると公共事業は20%、政府開発援助は25%の減となり、一般歳出全体を見れば社会保障関係費を除いて14%の圧縮をしてきた。しかし、高齢化の影響は大きく、社会保障関係費は5年前と比べて22%も伸びている。
今後、歳入や税制の改革は避けて通れないのが現状である。しかし、安易に増税論議を先行させるのは早計であり、まずは徹底した歳出見直し・削減が先行である。この際、徹底的に行政のムダを省くために、国の全事業を洗い直す「事業仕分け」を実施すべきである。「事業仕分け」は、民間の専門家による視点を導入して徹底した論議を行うため、行政担当者の意識改革にもつながり、関係者の納得の上で歳出削減を実現しようとする点も評価されている。
既に一部の地方自治体(8県4市)では、民間シンクタンク等の協力を得て「事業仕分け」を実施。行政の仕事として本当に必要かどうかを洗い直し、「不要」「民間委託」「他の行政機関の事業」「引き続きやるべき事業」に仕分けした結果、県・市レベルともに「不要」「民間委託」が合わせて平均約1割に上り、予算の約1割に相当する大幅な削減が見込まれているという。
国民へのサービスを低下させないためには、「事業仕分け」の手法による大胆な歳出削減を行い、そこから捻出された財源を財政再建に振り向けるだけでなく、その一定部分は国民ニーズに応じて必要な新規事業などに活用するという、行財政の効率化を図ることが望ましい。「小さくて効率的な政府」をめざし、「事業仕分け」の断行を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年12月16日
大阪府和泉市議会