会議結果

意見書・決議

平成17年第3回定例会
以下全文記載
「次世代育成支援策、保育・学童保育施策に関わる国の予算拡充」に関する意見書

(可決 全会一致)

 わが国における少子化はますます深刻になっており、子どもや子育てに関わるさまざまな施策の改善を図りながら、子ども・子育てを支援する社会づくりが求められている。とりわけ、地域の子育て支援策の中核施設といえる保育所・学童保育に対する住民の期待は、ますます強くなっている。
 こうした中で、次世代育成支援策を国・自治体が力を合わせて推進することが重要な政策課題になっている。次世代育成支援策については、次世代育成支援対策推進法によってすべての自治体に策定が義務づけられた地方行動計画に基づいて、その実現に向けて努力を開始しているが、自治体施策の前進をはかるには、国家的な財政の後押しが必要になっている。特に、次世代育成支援対策推進法は時限立法であり、その推進を図る施策に対して、それにふさわしい国家的財源保障が求められる。
 ところが、「次世代育成支援対策行動計画」推進の初年度である2005年度の国の次世代育成交付金の予算が少なかったため、保育所整備(ハード交付金)は全国の市町村からの申請数(637箇所)に対し、約半数(346箇所)しか内示されず、今後自治体の施策推進が困難になる深刻な事態が予測される。
 また、子育て世代の経済的負担感の増大が少子化に拍車をかけており、その軽減も課題となっている。
 よって本市議会は政府に対し、下記項目について強く要望する。

(1) 2005年度次世代育成補正予算を組み、保育所整備(ハード交付金)を実態に見合うよう補填すること。
(2) 少子化対策及び、次世代育成支援策推進に対する国の財源保障を明確にすること。
(3) 「次世代」関連予算は時限立法にふさわしく、保育所・学童保育予算を増額すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年9月30日

大阪府和泉市議会

自治体病院の医師確保対策を求める意見書

(可決 全会一致)

 少子、高齢社会を迎え、地域住民が安全で安心な生活を送る上において、地域における医療環境の整備・充実が極めて重要な課題となっている。
 こうした中において、自治体病院は、地域医療の中核として、高度医療、特殊医療、小児医療、夜間救急、輪番制二次救急医療等多くの不採算部門を担いつつ、医療提供体制の確保と医療水準の向上に努めているところである。
 しかしながら、昨年4月から実施されている新たな医師臨床研修制度の必修化に伴う大学による医師の引き揚げや、医師の地域偏在、診療偏在等により、地域医療を担う医師の不足が深刻化している。
 特に、小児科や産婦人科については、過酷な勤務条件、医療訴訟の多さなどの要因により医師希望者が減少しており、医師の確保が極めて困難な状況にある。そのため、各地で診療の縮小・休止や廃止に追い込まれる病院が相次いでいる。
 このような医師不足は、全国的な問題となっており、各自治体は、医師確保に向けて、懸命の努力を続けているが、大変困難な状況にあり、地域医療の確保・継続が危ぶまれている。
 よって、国においては、都道府県、大学、学会、医師会等との連携のもと、早急に抜本的な医師確保対策を講じられるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年9月30日

大阪府和泉市議会

道路整備の推進及びその財源確保に関する意見書

(可決 全会一致)

 21世紀を迎え、わが国は、少子高齢化が進展し、投資力の制約が強まる一方で、デフレからの脱却や経済構造の改革、さらには都市の再生など、様々な課題に直面している。
 このような厳しい社会経済情勢の中、活力ある地域づくりや都市づくりを推進するとともに、地球規模での環境問題に対処し、豊かな国土を造り上げ次世代に引き継ぐためには、国民共通の資産である社会資本の整備を計画的かつ着実に実施していくことが重要である。
 また、道路は、国民生活や経済社会活動を支える基本的な社会資本であり、道路整備は、全国民が長年にわたり熱望しているところであり、国民が真に必要とする社会資本として、必要性は一層高まっている。
 本市においては、中部地域の大規模な開発が進む中、活力ある地域づくりを推進するためには、大阪府と和歌山県を結ぶ国道480号バイパス道路をはじめとする幹線道路などのネットワークの形成を効率よく整備促進することが重要な課題となっている。
 また、市街地においては、慢性的な交通渋滞の原因となっている国道480号とJR阪和線交差部のアンダーパスによる立体交差の早期完成、高齢化社会の到来にむけた交通バリアフリー化や歩道整備などの交通安全対策が緊急の課題となっている。
 よって、政府は道路整備の重要性を深く認織され、次の措置を講じられるよう強く要望する。

1.都市の再生や地域の活性化に資する道路整備を推進するため、必要となる財源の確保と都市部への重点的な配分に努めること。
2.都市の再生や活力ある地域づくりを推進するため、環状道路の整備や踏切道の改良などの渋滞対策等の推進、地域間の連携促進を図る道路整備を一層推進すること。
3.沿道の大気汚染や騒音、地球温暖化問題に対応するため、道路環境対策を一層充実すること。
4.バリアフリー、交通安全対策、防災対策など安全で快適な生活環境づくりを推進するための道路整備を一層促進すること。
5.地方の道路財源が確保されるとともに、地方財政対策を充実すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年9月30日

大阪府和泉市議会

がん対策の推進強化を求める意見書

(可決 全会一致)

 がんは1981年以降、わが国の死亡原因の第1位を占め、現在では死亡原因の3割超にまで達している。そのため、政府においては「対がん10カ年総合戦略」を展開し、その第3次総合戦略が昨年度からスタートしたところである。
 多くのがん患者・家族が、日本のがん医療に不満をもっており、自分の命を救ってくれる医師を探してさまよう患者の姿を例えて‘‘がん難民’’とさえ呼ばれているように、病院や地域によって治療成績に大きな格差があるなどの課題が指摘されている。そのため同戦略の中で、がん医療水準の「均てん化」(全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるよう、医療技術等の格差是正を図ること)が打ち出され、がんの罹患率と死亡率の激減をめざしている。
 政府は今年5月、厚生労働大臣を本部長とする、がん対策推進本部を設置したところであるが、がん医療水準の均てん化のみならず、がん専門医の育成、国民への適切な情報提供など、総合的ながん対策を強力に推進することが求められている。 よって、本市議会は政府に対し、がん死亡率の激減をめざして、早急に下記の項目を実施するよう強く要望する。

1、がん医療水準の均てん化を推進。特に、地域がん診療拠点病院を整備すること。
2、がん治療専門医(特に化学療法、放射線療法の領域)を養成・確保すること。
3、国民が利用しやすい「がん情報センター」、がん拠点病院等への「がん患者情報室」を設置すること。
4、有効性が証明された、がん検診の強力な推進および受診率の向上を図ること。
5、地域がん登録の普及と精度の向上を図ること。
6、国内未承認薬の使用促進のための着実な体制を整備すること。
7、センター方式による高度がん治療技術の開発と臨床応用すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年9月30日

大阪府和泉市議会

「リフォーム詐欺」から高齢者等を守るための対策強化を求める意見書

(可決 全会一致)

 認知症など判断能力の不十分な高齢者を狙って不要なリフォーム工事を契約させ、法外な代金を請求・だまし取る「リフォーム詐欺」が大きな社会問題になっている。そうした犯罪行為の横行を許さないため、まずはあらゆる法律・制度を駆使し、関係機関が連携して、悪質業者を摘発することと、再発防止への早急な取り組み強化が求められる。
 そのため政府は7月13日、関係6省庁課長会議において当面の対応策となる緊急対策を決めた。その内容は、悪質業者に対する行政処分や取り締りの強化、関係業界に再発防止策を求めるなど多岐にわたっている。
 その上で、今後の課題として、成年後見制度をより利用しやすくするための措置や、リフォーム工事に関する建設業法の見直しなどが指摘されている。
 よって、本市議会は、高齢者等を「リフォーム詐欺」から守るため、早急に下記の項目を実施するよう強く要望する。

1、成年後見制度の普及、活用
 ①制度趣旨への理解を含めた周知徹底のための広報活動を強化するとともに、成年後見申立時の費用や後見人への報酬を助成する成年後見制度利用支援事業を拡充・周知すること。
 ②第三者後見人の人材を確保すること。
2、建設業法の見直し
 ①建設業法上、軽微な建設工事(1件500万円未満)の請負については建設業の許可を必要としないため、同法を見直すこと。
 ②リフォームを含む建設工事の請負契約の締結に当たっては、書面の記載などの手続義務規定違反に対する罰則を設けること。
3、建築士法の見直し
 建築士法により、建築士でなければできない設計又は工事管理が規定されているが、リフォームは多くの場合、建築士でなくても設計等を行うことができるため、同法を見直すこと。
4、全国各地の窓口で気軽に法的サービスが受けられる「日本司法支援センター」(来秋スタート予定)が、高齢者らに対する出張相談などを積極的に実施すること。
5、特定商取引法や消費者契約法、割賦販売法などを活用して被害者の早期救済を図るとともに、悪質リフォームを対象にした取締法規の制定を検討ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年9月30日

大阪府和泉市議会

夜間定時制高校の募集再開等を求める意見書

(可決 全会一致)

 大阪府教育委員会は、平成15年9月に発行した「府立高等学校特色作り・再編整備計画(全体計画)」に関する冊子の中で、「夜間定時制を希望する生徒が、入学できなくなることはありません」と公言し、夜間定時制高校を29校から15校に削減した。そして平成17年度入学者選抜においては、和泉高校や貝塚高校の府立夜間定時制14校での募集を実施していないところである。
 その結果、和泉総合高校など15校中8校、主として北摂と北河内地域において、競争倍率が1.0倍を超えた。和泉総合高校で11名、府下では夜間定時制を希望したおよそ100名の受験生が不合格となった。
 本市においても、夜間定時制を志願して進学できなかった受験生が2名生じていることが、市教育委員会の調査により明らかになっている。「夜間定時制高校を希望する生徒が入学できなかった」事態が生じた原因は、①単学級にしていれば、学校を削減しなくてもよかった状況であったにもかかわらず、稚拙に学校数を半減させてしまった政策決定に誤りがある。②さらには再配置校の配置方法に判断の誤りがあったと考えられる。
 よって和泉市議会は、平成18年度には、夜間定時制高校を希望する生徒が入学できなくなる事態を生じさせないため、クリエイティヴスクールなど高校改革がなし遂げるまで、とりあえず募集停止14校の募集を再開するなど、早急に改善策を講じられるよう、大阪府および大阪府教育委員会に対し強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年9月30日

大阪府和泉市議会