会議結果
意見書・決議
(可決 全会一致)
厚生労働省は、被保険者範囲の拡大(現行40歳以上を引き下げ)と障害者サービスの併合ついて、障害者団体など関係者や自治体首長の多くが「反対」「慎重に検討」と表明しているにもかかわらず、これを推進しようとしている。
被保険者年齢の引き下げは、増大する介護費用を国民負担の強化で賄おうとするものであり、若年者の圧倒的多数は給付を受けることなく負担のみの「掛捨て保険」となる。また、障害者サービスは介護保険に併合されることにより、その内容と水準が大幅に低下するおそれがあることなど、大きな問題を抱えており、全国市長会・町村長会からも「介護保険と障害者施策統合に関する緊急申し入れ」がされるなど、自治体からも不安や反対の声が上がっている。
介護保険制度見直しで求められているのは、実施4年半をふまえて、より安心できる介護制度にするため、問題点の改善に取り組むことである。よって政府は以下の改善を行うよう求めるものである。
①被保険者の範囲の拡大や受給者の拡大については強行せず、自治体及び関係者の意見に基づき、慎重に検討すること。
②保険料・利用料を支払能力に応じた負担に改めること。
③介護・医療・福祉の連携で健康づくりをすすめること。
④よりよい介護保険実現のため、国庫負担を引き上げること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月17日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
高齢化が世界有数のスピードで進むわが国では、最近、介護が必要な高齢者を放置したり、家庭や施設内で高齢者に暴力をふるったりするなど虐待が深刻化している。しかしながら高齢者への虐待は表面化しづらく、これまで家庭や施設内の問題として見過ごされてきており、児童虐待に比べ法整備などの対策も遅れているのが現状である。
虐待の背景には、限界を超える介護へのストレスや複雑な家庭内の人間関係なども含まれており、虐待を自覚していない家族も多く、介護家族を含めた精神的なケアが不可欠であるとの指摘もある。
昨年、厚生労働省は、家庭内での高齢者への虐待について初の全国調査を行い、本年4月調査結果が発表された。それによれば、「生命に関わる危険な状態」に至る事例が1割という深刻な実態が浮き彫りになる一方、虐待に気がついた在宅介護支援の専門職の9割が対応は困難と感じていることも明らかになった。
この結果からも、高齢者虐待の定義を明確にすることをはじめ、虐待防止と早期保護への具体的な仕組みづくりが急務であることが確認されたところである。
そこで、地域社会全体として高齢者の人権を守る体制を充実させ、虐待防止のための具体的な対策を早急に実現するため、以下の内容をふまえ、高齢者虐待防止法の制定を強く要望する。
1.相談窓口の設置と、早期発見のための通報システムを確立すること。
2.高齢者を虐待者から切り離す緊急保護のための一時保護施設等を整備すること。
3.関係機関や家族のネットワークづくりを推進すること。
4.施設職員や関係者への虐待防止教育を実施すること。
5.高齢者虐待防止に関する国民への教育・啓発を推進すること。
6.上記の諸対策を含めた高齢者虐待防止のための法律を制定すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月17日
大阪府和泉市議会
(可決 全会一致)
本年は、新潟中越地震の発生や観測史上最多を数える台風が上陸するなど、日本列島は近年まれにみる大規模な災害に見舞われたところである。
この一連の災害によって全国各地に死者・行方不明者の発生や、住宅損壊・浸水、農林水産業用施設や農作物、港湾施設等の公共施設等への被害など甚大な人的・物的被害がもたらされ、住民生活と地域経済に大きな影響を及ぼしている。
この深刻な事態に対し政府として、速やかな応急措置と復旧対策を講ずるとともに、これまでのすべての大規模災害についての対策を総点検し、災害発生の原因や治水計画、防災・地震対策の検証を進め、抜本的対策を早急に講ずることが必要である。
よって、国・政府におかれては、被災地のライフラインの復旧並びに、被災者への支援に一層力を注ぐとともに、国民を災害から守るため、将来予測される震災等の自然災害についても万全の対策を講ずるよう下記の事項について強く要望する。
記
1.建物の耐震構造化推進の重要性を強く認識し、地震防災策の見直しを行うこと。特に、避難所や救援活動の拠点となる学校や病院の耐震化には早急な対策を講じること。
2.都道府県管理区間の中小河川の堤防改修に際しては、緊急点検結果に基づき、優先的に整備を進めること。また、海岸および湾岸の水防施設も同様に、堤防等の総点検を速やかに実施し、整備を進めること。
3.今回の新潟中越地震の教訓を生かし、国土の7割を占める中山間地での震災対策の確立を早急に図るとともに、災害関連緊急治山事業を速やかに実施すること。
4.防災無線の整備、洪水ハザードマップの策定に関し、早急な普及のための計画策定と予算措置を行うこと。また、市町村長に対する警戒情報の発令基準および避難誘導マニュアルの策定を急ぐこと。
5.高齢者等の要援護者への対策を推進するため、災害情報の伝達・避難・救助・復旧・自立支援等に関し、対処マニュアルの策定を早急に行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月17日
大阪府和泉市議会