会議結果

意見書・決議

平成15年第3回定例会
以下全文記載
「金融アセスメント法」の制定を求める意見書

(可決)

 長引く景気低迷は、中小企業の集積地である大阪を直撃し、とりわけ集積密度の高い地域においては、中小製造業の激減など極めて深刻な状況にあり、また、不良債権の最終処理によって、金融機関による中小企業への貸し出し抑制がますます強まってきている。
 このような中、不良債権の最終処理に際し、地域経済や中小企業への影響を最小限にとどめつつ、金融システムの安定性の維持や中小企業金融の円滑化に向けた対策を講ずることが求められている。なかでも、地域や中小企業への円滑な資金供給に努力している金融機関を公正に評価するため、「地域と中小企業の金融環境を活性化させる法律(金融アセスメント法)」の制定は、新しい金融システムの構築に向けた「制度的インフラ」として機能し、地域経済の活性化に結びつくものとして期待されている。
 よって、国会および政府においては、中小金融機関の金融上の支障を解消し、中小企業と地域経済を活性化させるために、「金融アセスメント法」を制定するよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年10月2日

大阪府和泉市議会

大阪府医療費助成制度の存続を求める意見書

(可決)

 大阪府は一昨年4月以来、65歳から69歳に適用してきた老人医療費助成制度の廃止や、母子家庭世帯や障害者、老人障害者などの入通院費の一部本人負担を実施することを検討していると言われている。
 すでに大阪府は1997年時点で、老人医療費助成制度の所得制限を大幅に強化し、対象者を8割減らし、市町村への府補助率も見直している。長引く不況の影響もあり、住民の負担増は限界になっている。
 また、国の相次ぐ社会保障制度の給付減と患者負担増の押しつけにより、受診抑制が起こるなど、深刻な事態となっており、地域住民の命と健康を守ることは自治体の第一義的な責務である。
 よって本市議会は大阪府に対し、下記の各種医療費助成事業の「見直し」を行わないよう強く要望する。

1.老人医療費助成制度の廃止を止め、制度を存続すること。
2.障害者(児)医療費助成制度の所得制限強化を止めること。
3.母子家庭医療費助成制度や乳幼児医療費助成制度への負担強化を止めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年10月2日

大阪府和泉市議会

府立和泉工業高等学校廃校撤回を求める意見書

(可決)

 大阪府教育委員会は8月26日和泉工業高等学校(全日制)を廃校にし、工業高等学校とは別の多部制単位制高校(総合学科)、クリエイティブスクールと称する設置案を発表した。しかも、なぜ廃校し多部制単位制高校にするのかの具体的な説明もない。
 府立和泉工業高等学校は昨年40周年を迎え卒業生も1万3千人を超え社会で活躍し、高い評価を得ている。校内では学校改革委員会で検討を重ね、基礎学力の向上に向けて本年度より1年生の数学・国語を少人数展開をするなど学校改革に取り組み、学校の教育活動は順調に進んでいる。地域的にも在籍数の30.6%は和泉市居住で、隣接する岸和田市・泉大津市・高石市の居住者を合計すれば67.6%を占め十分地域に根付いた学校である。長引く不況の中、工業高校としての同校の志願者は多く、入試も高い倍率を示しており、就職率もほぼ100%と安定したものを示している。どの指標を見ても廃校する理由はみあたらない。廃校して多部制単位制高校に総合学科を設置しても、同校の工業高校の継続とはならない。今回の(案)は地道に取り組んできた、工業高校の蓄積を完全に消滅させるものである。
 よって本市議会は大阪府に対し、府立和泉工業高等学校を廃校にしないよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年10月2日

大阪府和泉市議会

犯罪防止のための治安対策の強化を求める意見書

(可決)

 わが国の犯罪情勢は、平成13年全国で発生した刑法犯は273万5612件と戦後最高を記録し、過去10年間で約100万件の増加となっており、とりわけ刑法犯の9割近くを占める窃盗犯の増加が著しい。また、過去10年間で路上窃盗及びひったくりの件数はそれぞれ4.5倍、3.6倍に増加するなど、路上犯罪の大幅な増加が目立っている。また、来日外国人による凶悪犯や組織的窃盗事件が増加し、来日外国人犯罪の全国への拡散化傾向がうかがわれるとともに、少年非行の凶悪化、粗暴化が進み、ひったくりの総検挙数に占める少年の割合は7割を超えるなど、少年非行も深刻化している。
 治安の維持は、国民にとって最大の社会福祉である。最早、犯罪が凶悪化、多様化、国際化する今日の危機的状況を放置することはできない。
 従って、政府は、治安の回復をめざし、内閣が一体となって下記の諸対策を速やかに実施するよう強く要求するものである。

1.来日外国人及び暴力団等による組織犯罪対策への取組みをさらに強化すること。銃器を使用した凶悪犯罪や薬物組織犯罪への対策も強化すること。
2.警察官を増員し、人口に比して警察官の少ない地域へ重点配分するとともに、交番・駐在所の整備充実を期すこと。
3.警備業者等を活用し地域パトロール等を強化したり、防犯効果の大きい地域コミュニケーション形成についての国民の意識啓発を進めること。
4.留置場・拘置所など治安関係施設の整備拡充を図ること。
5.犯罪防止の立場から毅然たる入国管理体制を確立すること。
6.青少年の健全育成のための推進とあわせ、軽微な少年犯罪の放置が犯罪の増発・凶悪化に発展する傾向性を重視し、少年非行防止、薬物乱用防止対策、暴走族対策等を強化すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年10月2日

大阪府和泉市議会

高額療養費の返還(償還)制度の改善を求める意見書

(可決)

 各医療保険法の改正が行われ、医療費の一部負担の3割(健康保険の被保険者本人一部負担金を2割から3割に)への統一及び外来薬剤費一部負担の廃止等の改正が平成15年4月より、また3歳未満乳幼児の一部負担の3割から2割への軽減等の改正が平成14年10月からそれぞれ実施されているところである。
 こうした改正に伴って、月々に支払う医療費の一部負担が著しく高額になった場合に、一定額を超えた分が高額療養費として後から返還される自己負担限度額の引き上げが行われたところである。
 一部負担が一定額を超えた分が返還される高額療養費制度について、その制度自体の周知徹底されていないことに加え、窓口において一定額を超えた分まで一括して支払い、本人が申請して後日に超過分を受け取るという現在の仕組み自体がその金額の工面に困難をきたすなど、国民・患者にとっては極めて非効率で不親切な制度となっている。
 政府においては、患者の窓口負担の簡易化を図るとともに、医療と介護に係る一部負担の合計額についても、同様の高額療養費制度を設けるべきである。

1.保険者は、高額療養費に係わる還付額について、対象者に通知を行うようにすること。
2.高額療養費の還付において、受領委任払いの拡大等により、患者の窓口負担の軽減を図ること。
3.医療と介護に係る一部負担の合計が著しく高額になる場合にも、同様の上限額を設ける新しい「医療・介護高額療養費制度」を設けること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年10月2日

大阪府和泉市議会

携帯電話の利便性の向上と料金引き下げを求める意見書

(可決)

 携帯電話(PHSを含む)の加入台数は、今年3月に8千万台を超え、国民の7割以上が携帯電話を持っており、今や国民にとって携帯電話は、日々の生活の中で欠くことのできない重要なアイテムとなっている。 特に20代の若者の所有率は約9割近くにも上ると言われている。爆発的に普及してきた一方で、携帯電話会社のサービスに対し、不満を感じている国民も多い。その一つに、携帯電話の会社を変更すると「携帯電話番号」まで変わってしまうため、他の会社に変更したくても、事実上できないという利用者の声がある。シンガポールや英国、ドイツ、オランダなど諸外国では、利用者への「サービス重視」の観点から、携帯電話番号を変えずに契約会社を変更できる「番号ポータビリティー(番号持ち運び制度)」の導入が義務化されている。わが国でもこの「番号ポータビリティー」が実現すれば、利用者が事業者を変更しやすくなるため「事業者間の競争促進」につながり、結果として、利用者への利便性の向上や料金の引き下げにつながる可能性が高いとも言われている。
 よって本市議会は、「携帯電話のさらなる利便性の向上と料金の引き下げ」の観点から、下記の3点の諸事項の早期実現を強く要請するものである。

1.契約先の携帯電話会社を変更しても、従来の番号を利用できる「番号ポータビリティー(番号持ち運び制度)」を導入すること。その際、事業者に対する税制上の支援措置等を検討すること。
2.「番号ポータビリティー」が導入されるまでの当面の措置として、携帯電話会社を変更した場合でも、契約変更先の携帯電話番号を通知するサービスを早期導入すること。
3.携帯電話の通話料金をさらに引き下げること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年10月2日

大阪府和泉市議会

青年の雇用問題の促進に関する意見書

(可決)

 今、青年は10人に1人が仕事につくことができず、収入も地位も不安定なフリーターが417万人にものぼっている。
 定職にもつけず、「自分は社会に必要とされていないのでは」「人間として否定された気持ちになる」などと思っている青年も少なくない。
 社会に巣立つ新卒の青年が多数就職できず悩み苦しんでおり、さらにフリーター、派遣、契約、長期アルバイトなど、不安定な身分で働く青年は、低賃金で生活上の保障もなく、いつ雇い止めされるかと不安を抱いている現状にある。
 大企業では1995年から2001年の間に、青年の正社員が108万人減らされ、新規の採用も大幅に縮減され、その分パートやアルバイト、派遣労働者に置き換えられてきた。また、正社員に対しては長時間労働やサービス残業が押しつけられ、それらが青年の雇用問題をいっそう深刻化させる大きな要因となってきたことは明らかである。
 青年の雇用問題は単に青年だけの問題ではなく、「国民生活白書」や経団連や日本商工会議所が出した「若年者を中心とする雇用促進・人材育成に関する共同提言」でも、「日本経済の成長を阻害する」「社会不安を招きかねない」「少子化を探刻化させる」などとのべているように、日本社会の存続にかかわる重大な問題となっている。
 よって、本市議会は政府に対し、「社会に役立つ仕事がしたい」という若者が夢と希望をもって将来にむかえるよう、その基本となる雇用と生活の安定をはかるため、以下の項目について早急に実現をはかるよう求めるものである。

①青年の仕事を増やすためにも大企業にサービス残業などをなくし、雇用を守り、増やすよう徹底した監督、指導をおこなうこと。
②職のない青年やフリーター、正社員を目指す青年のために、職業紹介と職業訓練を抜本的に充実し、生活保障つきの職業訓練、奨学金の返還の延期や免除を実施して、安心して仕事探しができるようにサポートすること。
③会社が正社員を募集するときには、その会社で働いているパートやアルバイト、派遣労働者から優先的に採用する制度を整えること。
④年々早まる就職活動のために、大学で十分な専門学問を身につけられないことは、本人にとっても、社会や企業にとっても大きな損失であるので、会社訪問の解禁日など、学業と両立できる就職活動のルールを確立すること。
⑤青年の雇用促進等での相談窓口の開設や、雇用の創出に努力する自治体には必要な助成をおこなうこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年10月2日

大阪府和泉市議会

教育基本法見直しで国民的議論を求める意見書

(可決)

 教育基本法の見直しを求める中央教育審議会の答申が3月20日、遠山文部科学大臣に提出された。
 答申は「社会の形成に主体的に参画する『公共』の精神、道徳心、自立心の涵養」「日本の伝統・文化の尊重、郷土や国を愛する心と国際社会の一員としての意識の涵養」など8項目の理念を新たに盛り込む法改正を求めている。
 しかし、教育基本法はその制度経緯、前文と基本理念の普遍的内容などから準憲法的な性格を持つ法律であり、その改正は憲法と同じく時間をかけ、国民的議論を経て慎重に審議し結論を出すべきであり、一層慎重な論議が必要である。
 答申の内容をそのまま法律の改正案とするのではなく、広範な国民的議論を喚起するための教材として、より多くの国民の意見を聞くべきである。
 また、教育基本法の改正がただちに今日の教育の諸問題の解決に直結する訳ではない。教育の再生のためにはまず教育の諸課題を一つ一つ点検し、実態に合わせて改善策を考えていくという地道な作業が必要である。文部科学省主導の教育行政を見直し、教育の地方分権化、規制緩和を進めるとともに、教員の質の改善や、教育予算の拡充が必要である。
 こうした教育改革を進めるなかで、国民的議論の展開を含めた教育基本法の慎重な議論も深めていくべきである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年10月2日

大阪府和泉市議会

道路整備の推進及びその財源確保に関する意見書

(可決)

 21世紀を迎え、わが国は、少子高齢化が進展し、投資力の制約が強まる一方で、デフレからの脱却や経済構造の改革、さらには都市の再生など、様々な課題に直面している。
 このような厳しい社会経済情勢の中、活力ある地域づくりや都市づくりを推進するとともに、地域規模での環境問題に対し、豊かな国土を造り上げ次世代に引き継ぐためには、国民共通の資産である社会資本の整備を計画的かつ着実に実施していくことが重要であり、道路こそその中の中核的役割を担うものである。
 また、道路は、国民生活や経済社会活動を支える最も基本的な社会資本であり、道路整備は、全国民が長年にわたり熱望しているところであり、国民が真に必要とする社会資本として、その必要性は一層高まっている。
 本市では、中部地域において、大規模開発が進む中、活力ある地域づくりを推進するため、国道480号府県間バイパス道路等の幹線道路をはじめとした各種道路について効率よくネットワークした整備促進が重要な課題となっている。
 また、市街地では、交通渋滞の原因である踏切道のアンダーパスの早期完成や、高齢化社会の到来にむけたバリアフリー化や、歩道整備等の交通安全対策が緊急の課題となっている。
 よって、政府は道路整備の重要性を深く認識され、次の措置を講じられるよう強く要望する。

1.都市の再生や地域の活性化に資する道路整備を推進するため、必要となる財源の確保と都市部への重点的な配分に努めること。
2.都市の再生や活力ある地域づくりを推進するため、環状道路の整備や踏切道の改良などの渋滞対策等の推進、地域間の連携促進を図る道路整備を一層推進すること。
3.沿道の大気汚染や騒音、地球温暖化問題に対応するため、道路環境対策を一層充実すること。
4.バリアフリー、交通安全対策、防災対策など安全で快適な生活環境づくりを推 進するための道路整備を一層促進すること。
5.地方の道路財源が確保されるとともに、地方財政対策を充実すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年10月2日

大阪府和泉市議会