会議結果

意見書・決議

平成15年第2回定例会
以下全文記載
ヤミ金融対策の強化を求める意見書

(可決 全会一致)

 近年、長引く不況を奇貨とするヤミ金融の横行が看過できない社会問題となっている。人の弱みに乗じて、中には年利数千%から数万%にのぼる高金利による貸し付けがなされたり、勤務先や家族への脅迫的な取り立てはもとより子どもが通う学校にまで催促の電話がかけられ、職場からの解雇や離婚、自己破産、行方不明、さらには自殺をも余儀なくされるなど、その深刻な被害の多発化には目に余るものがある。
 現行制度の下では、登録さえすれば容易に貸金業を営むことが可能であり、法外な金利や強引な取り立てを行う悪徳業者への行政対応も実効を期し難いものとなっており、国による抜本的対策は急務となっている。
 よって、国は、出資法の上限金利の引き下げに取り組むとともに、出資法上限金利を超える貸付契約の無効を明定するほか、登録要件・審査の見直し、金融取引主任制度の導入、夜間・早朝・職場等への取り立て行為規制の明確化、監督権強化のための業務改善命令規定の新設や罰則強化、苦情相談窓口や監督省庁・関係団体等の体制整備の実施など、新たな立法措置を含めた悪徳ヤミ金融を排除するための措置を速やかに講じられるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年7月4日

大阪府和泉市議会

未就学児の医療費無料化の実現を求める意見書

(可決 全会一致)

 先般、厚生労働省から発表された出生率は1.32を記録し、2006年度にはさらに1.30にまで低下すると推計されている。
 このように我が国の少子化は年々深刻化しており、これ以上の少子化が進行すれば、社会保障制度の安定的運営や経済の持続的成長に支障をきたすなど、国民生活に探刻な影響を与えることが不可避である。
 こうした状況のなか、子育て家庭(世代)に対する支援策の一環として、現在、すべての都道府県では、乳幼児医療費の助成制度を独自の施策として実施している。
 しかし、この助成制度は、国の関与しない制度であるため、対象年齢や所得制限の有無をはじめ、支給方法や一部負担金の有無など、さまぎまに異なる内容となっている。また、償還払い方式によるところも多く、制度利用に手間がかかるといった指摘もある。
 身体機能が未熟な乳幼児は死亡率が高く、また入院、外来ともに小中学生と比べ、治療を受ける機会も多いことから、その医療費が子育て家庭の経済的負担に占める割合は決して小さなものではない。
 子どもの健康を守るとともに、安心して子どもを産み育てられる社会にするためにも、未就学児までの助成の拡充が今強く求められている。
 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、医療保険制度における給付率の引き上げや、地方公共団体における助成制度に対する国の助成を図り、国の制度として、未就学児を対象とした医療費無料化制度の実現を図られるよう強く要望するものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年7月4日

大阪府和泉市議会

りそなグループに対する公的資金注入に関する意見書

(可決 全会一致)

 大手金融グループの「りそなホールディングス」が自己資本に陥り、政府は、りそな銀行に対する公的資金を注入した。
 りそな銀行は、地域金融機関の連合体として「スーパー・リージョナル・バンク」を標榜し、在阪企業に融資を行うなど、大阪経済に大きな役割を果たしてきた。
 今回の措置は、りそな銀行の経営基盤の強化・安定と、金融システムの維持に万全を期すためのものとされている。しかし、今後、りそな銀行が国の支援のもと、経営再建に取り組む中で、その融資姿勢如何によっては、中堅中小企業への資金供給に支障をきたすことも懸念され、疲弊している大阪経済が一層冷え込むことが心配される。
 大阪には高い技術や優秀な人材を持つ中堅中小企業が多くあるが、それらを再生し、産業を活性化させることは金融機関の本来的な使命であり、また金融機関には、地域の企業へ融資を増大させることで、地域経済の振興に貢献するという社会的責任がある。今こそ中堅中小企業と金融機関がともに支えあいながら発展するという、本来の関係を取り戻すことが望まれる。
 よって、政府は、デフレを克服し金融不安を招かないためにも、中堅中小企業や零細企業の多い大阪経済へ資金が円滑に供給されるようにするとともに、りそなグループが中堅中小企業や零細企業への融資を、今後も継続・充実させるよう、主導的役割を果たすことを強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年7月4日

大阪府和泉市議会

義務教育費国庫負担制度の堅持、特に学校事務職員及び栄養職員の給与費に対する半額国庫負担制度の堅持を求める意見書

(可決 全会一致)

 2004年度文部科学省予算のうち、学校事務職員及び学校栄養職員の給与費に対する半額国庫負担の継続について、これを打ち切る動きにあると伝えられている。また既にこれまでにも、旅費・教材費・共済費及び恩給費などが除外・削減されるなど、地方財政に大きな影響を及ぼす状況となっている。
 義務教育費国庫負担制度は、教育の機会均等とその水準の維持向上を図ることを目的として、今日まで日本の義務教育の根幹をなす制度として定着してきたものである。特に学校事務職員及び学枚栄養職員は、義務教育諸学校において重要な役割を果たしており、この給与費に対する半額国庫負担制度が廃止されるならば、地方の財政力によってその給与費が左右されることになり、制度の安定性を大きく欠くことになる。
 よって政府は、義務教育費国庫負担制度を堅持し、学校事務職員及び学校栄養職員の給与費に対する半額国庫負担制度を維持することを強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年7月4日

大阪府和泉市議会

郵便投票制度等の改正を求める意見書

(可決 全会一致)

 平成14年11月28日、在宅療養中のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者が「郵便投票において代筆が認められない現行の選挙制度は法の下の平等に反する」として国家賠償等を求めていた訴訟の判決が東京地裁で下された。判決は原告の訴えを退けたものの、その傍論の中で「原告等が選挙権を行使できる投票制度が無かったことは憲法違反と言わざるを得ない」と指摘した。
 また平成15年2月10日、対人恐怖症で投票所に行けない知的障害者の男性が「郵便投票制度を重度身体障害者に限った選挙制度は憲法違反である」として、国家賠償等を求めた訴訟においても、大阪地裁により判決が下され、原告の訴えは退けられたが、判決の傍論において「現行制度は憲法の趣旨に照らして完全ではなく、在宅投票の対象拡大などの方向で改善が図られてしかるべきものである」と行政府の制度改善の努力が求められたところである。
 これらの判決に関し福田官房長官も「投票困難な方々の投票機会を確保することは重要な課題と認識している」と発言している。
 我が国の郵便投票制度は、障害のある方や難病の方々、また寝たきりの高齢者やALS患者などで投票所へ行くことさえ困難な方々にとって、権利行使への手続きが煩雑であるうえ、制度上の不備から投票権の行使が困難な状況にある。従って、早急に制度上の不備を改善し、こうした方々の政治参加機会の確保を図るべきである。それは民主主義の観点からも重要である。
 ついては、下記の通りの法整備を含め所要の措置を早急に講じ、もって投票権の行使の障壁を一刻も早く取り除くべきである。

1.障害者や難病者、要介護の高齢者等、郵便投票の対象者の拡大を図ること。
2.ALS(筋萎縮性側索硬化)患者等、自筆が困難な人のために代理投票制度の導入等、投票機会の確保を図ること。
3.現在の郵便投票制度における資格証明や申請手続き等の簡素化を図るなど、障害者の方々が容易に投票できるように改善を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年3月25日

大阪府和泉市議会