社会文教常任委員会報告

史跡福島関跡について調査
保存活用計画を整備し
スムーズな管理運営


◯所管事務調査日
 令和5年4月12日
◯出席委員
 委員長 中村博保
 委員  下島里美
 委員  藤田昌弘
 委員  栩本 力

福島関跡ふくしませきあとの概要

 福島関跡は江戸時代初期に中山道の福島宿東の入口に設けられた福島関所の跡で、箱根、新居、碓氷と並ぶ四大関所の一つ。「入鉄砲出女」といわれる「鉄砲改め」と「女改め」が、厳しく行われた。「江戸幕府の交通政策上における遺構として極めて重要なもの」であるとして昭和54年(1979)、国史跡「福島関跡」として指定された。
福島市街絵図 個人所蔵 木曽福島郷土館寄託
福島市街絵図 個人所蔵 木曽福島郷土館寄託
関所門で担当者の説明を受ける委員ら
関所門で担当者の説明を
受ける委員ら
老朽化が進む復元建造物
老朽化が進む復元建造物

保存活用に向け現状と課題

 昭和56年(1981)の史跡整備より30年が経過する中、平成20年(2008)には復元した東門が倒壊し、平成13、14年度(2001、2002)に修繕工事を実施した木柵についても老朽箇所が増え、再整備が急務となっている。
 また、史跡内における公共インフラの更新や、関山ふもとの住宅地における日照不足などの諸課題に対応していくことが求められている。そのほか、郷土史家や案内人といった歴史文化の担い手の高齢化が進むなど、史跡の保存活用をめぐる過渡期を迎えている。
まとめ
 史跡福島関跡は文化庁の厳しい管理下におかれているため、これまで早急に修繕が必要な箇所や工事等についても、すぐに着工できないなど、大きな課題があった。そこで、保存活用計画を整備することにより、これからはスムースな管理運営につながるとのこと。
 各委員からは、早急に企画展やイベントなどの開催が必要であり、また計画や予算などについて町民のコンセンサスを十分得られるようにするべき、との意見が出された。
 今後、国内外の観光客の増加が見込まれる中、一刻も早い修繕工事など再整備が望まれる。